Web営業とは?仕事内容や必要なスキル・向いている人を解説

(2026年08月19日掲載)
Web営業は、Webサイトの制作やWeb広告、SEO(検索エンジン最適化)といったデジタル領域の商材を扱う営業職です。営業やWeb業界での経験を持つ人にとっては、これまでのキャリアを土台にしながら、成果を数値で示しやすい領域です。
当記事では、Web営業の役割や提案する内容、日々の仕事、求められるスキル、転職やキャリアアップの道筋などを解説します。Web営業としてのステップアップを目指す方はぜひご覧ください。
1. Web営業とは?
Web営業は、Web制作会社や広告会社、SaaS企業などに所属し、Web関連のサービスや商材を法人や個人へ提案する職種です。扱う商材はWebサイトの制作、Web広告の運用、SEOやコンテンツ施策、各種Webサービスの導入支援まで幅広く、顧客の事業課題をデジタル施策で解決する点に特徴があります。
一般的な営業と異なるのは、提案の成果がアクセス数やコンバージョン数といった数値で可視化される点です。顧客と定量的な目標を共有しながら関係を築けるため、提案の根拠を示しやすく、契約後の継続的な支援にもつなげられます。
所属先はWeb制作会社や広告会社、事業会社のマーケティング部門などさまざまです。扱う商材や顧客層は勤務先によって変わり、自社サービスを提案する立場もあれば、複数の制作パートナーと連携して幅広い施策を届ける立場もあります。
| 業務 | 数字を交えた記載例 |
|---|---|
| プレスリリース | 年間30本を作成し、掲載件数が前年比25%増加 |
| SNS運用 | 6か月でフォロワー数が3,000人増加 |
| 社内広報 | 社員20名へ取材し、社内報を毎月発行 |
2. Web営業とほかのWeb職種の違い
Web業界には営業のほかにマーケターやディレクターといった職種があり、それぞれが受け持つ領域は異なります。役割の境界を押さえておくと、案件のどの局面で誰と連携するのかが見えやすくなるでしょう。ここでは、代表的な3職種の担当範囲を整理します。
2-1. Web営業は「顧客への提案と関係構築」を担う
Web営業の中心的な役割は、顧客の課題を引き出し、最適なWeb施策を提案して契約につなげることです。受注後も定期的に成果を共有し、追加施策や契約更新へと関係を広げていく点も特徴と言えます。顧客と社内外をつなぐ窓口の立場にあるため、提案力と信頼関係を築く力が成果を大きく左右します。営業経験者であれば、これまでの顧客対応で培った土台を活かし、扱う商材をデジタル領域へ広げる形で強みを発揮できるでしょう。
2-2. Webマーケターは「施策の企画・運用」を担う
Webマーケターは、集客や売り上げの向上に向けた施策を企画し、運用と改善を重ねる職種です。具体的には、Web広告の設計やSEO・コンテンツの計画、アクセス解析にもとづく改善などを担当します。データを分析しながら施策の精度を高める役割のため、Web営業が受注した案件を成果へつなげる後工程を支える存在です。営業が顧客との関係づくりを担うのに対し、マーケターは施策そのものの成果に向き合う点で役割が分かれます。
2-3. Webディレクターは「制作進行と品質管理」を担う
Webディレクターは、Webサイトやコンテンツの制作を統括し、スケジュールと品質を管理する職種です。デザイナーやエンジニア、ライターなど複数の制作メンバーをまとめ、納期どおりに一定の品質で成果物を仕上げる役割を担います。Web営業が受注した案件は、ディレクターの進行管理を経て形になるため、両者が連携する場面は多いと言えるでしょう。営業を「案件を獲得する」立場とすれば、ディレクターは「案件を形にする」立場にあたり、制作フェーズ全体の舵取り役を務めます。
3. Web営業では何を提案する?
Web営業が提案するのは、顧客の事業課題をデジタルの力で解決するための施策です。大きく分けると、Webサイトやサービスそのものを用意する提案と、集客や改善につながる運用施策の提案の2種類があります。顧客の状況に応じて、どちらか一方、または両方を組み合わせて提案します。
ここでは、それぞれの提案内容についてより詳しく解説します。
3-1. WebサイトやWebサービスの制作・導入を提案する
1つ目は、Webサイトやランディングページ、予約システムやECサイトといったWebサービスの制作・導入に関する提案です。たとえば、問い合わせを増やしたい顧客にはコーポレートサイトのリニューアルを、販路を広げたい顧客にはECサイトの構築を提案します。顧客の目的に合わせて必要な機能や規模を整理し、制作チームと連携しながら実現できるプランとしてまとめ、提案します。
3-2. Web広告やSEOなどの集客・改善施策を提案する
2つ目は、Web広告の運用やSEO、コンテンツ施策など、集客と改善に向けた施策の提案です。すでにWebサイトを持つ顧客に対して、アクセス数や問い合わせ件数を伸ばすための運用プランを示します。たとえば、リスティング広告やSNS広告、検索順位を高めるSEO、既存ページの改善など、顧客の課題と予算に応じて最適な組み合わせを設計します。短期の成果と中長期の成長をどう両立させるかも、運用施策を提案する上で重要な視点です。継続的な運用支援につながるため、長期的な関係を築きやすい提案領域です。
4. Web営業の主な仕事内容
Web営業の仕事は、顧客との出会いから案件完了まで一連の流れで進みます。ここでは、日々の業務を「ヒアリング」「提案・見積もり」「進行管理」の3つの局面に分けて紹介します。
4-1. 顧客の課題や要望をヒアリングする
最初の局面は、顧客が抱える課題や要望を丁寧にヒアリングすることです。売り上げを伸ばしたい、問い合わせを増やしたい、採用を強化したいなど、顧客の目的はさまざまです。表面的な要望だけでなく、その背景にある本質的な課題まで引き出せると、提案の精度が高まります。予算や納期、社内の意思決定の流れといった条件を早めに確認しておくことも、的確な提案につながる大切なポイントです。
ヒアリングで得た情報が提案全体の土台になるため、対話を通じて顧客の状況を深く理解する姿勢が求められます。
4-2. 課題に合った施策や見積もりを提案する
次の局面は、ヒアリングで把握した課題に合わせて、具体的な施策と見積もりを提案することです。施策の内容やスケジュール、費用をわかりやすく整理し、顧客が判断しやすい形で示します。提案時には、なぜその施策が課題の解決につながるのか、根拠とあわせて説明できると納得を得やすくなります。提案書に盛り込むべき要素は、課題の整理、施策の全体像、期待できる効果、費用とスケジュールの4点です。制作や運用の費用感を踏まえた上で、顧客の予算に合う現実的なプランを組み立てる局面です。
4-3. 制作・運用チームと連携して案件の進行を管理する
契約が決まった後は、制作チームや運用チームと連携しながら案件の進行を管理します。顧客の要望を社内の担当者へ正確に共有することが、品質を保つ第一歩です。定例のミーティングで進捗を共有し、課題を早めに見つけて対処することで、案件の質を高められるでしょう。スケジュールの管理はもちろん、進行中に追加の要望が出た場合も、社内と調整しながら対応方針を決めていきます。案件を滞りなく進め、顧客の期待に応える成果を届ける役割が、継続的な信頼へとつながります。
5. Web営業に必要なスキル
Web営業として成果を出すために、大きく3つのスキルが土台になります。顧客の課題を整理するヒアリング力、解決策を伝える提案力、そしてWeb制作やマーケティングの基礎知識です。ここでは、3つのスキルをより詳しく紹介します。
5-1. 顧客の課題を整理するヒアリング力
1つ目は、顧客の話を引き出し、課題を整理するヒアリング力です。初回のヒアリングの際は顧客自身が課題を明確に言葉にできていない場合も多く、対話を通じて本当の目的や背景を引き出す力が成果を左右します。相手の業界や事業内容を事前に理解した上で質問を重ねると、より深いニーズを把握できます。
顧客の言葉の裏にある期待や不安をくみ取る姿勢も、提案の精度を支える大切な要素です。営業経験者にとっては、これまでの商談で培ってきた対話力を、そのまま強みとして活かせる領域です。
5-2. 解決策をわかりやすく伝える提案力
2つ目は、整理した課題に対する解決策を、わかりやすく伝える提案力です。専門的なWebの知識を、顧客の立場に合わせてかみ砕いて説明できると、提案への納得度が高まります。説明するときは、数値や事例を交えて解決後のイメージを具体的に示せると、顧客が判断しやすくなります。競合と比較した位置づけや、導入後の運用イメージまで伝えられると、顧客の意思決定を後押しする有効な材料です。論理的に筋道を立てて話す力に加え、資料やデータで根拠を示す力も、提案力を支える要素です。
5-3. Web制作・マーケティングに関する基礎知識
3つ目は、Web制作やマーケティングに関する基礎知識です。サイト制作の流れやWeb広告の仕組み、SEOの考え方を理解していると、顧客の課題に対して的確な提案ができます。たとえば、サイト公開までの制作工程、検索エンジンが評価する要素、広告の課金方式や効果測定の指標など、押さえておきたい知識は幅広くあります。専門的に細部まで極める必要はないものの、制作チームや運用チームと共通の言葉で話せる程度の知識があると、社内での連携も円滑です。
日々の情報収集や実務を通じて、知識を継続的にアップデートしていく姿勢が役立ちます。
6. Web営業に向いている人
Web営業は、人と関わりながら課題解決に取り組む仕事が好きな人に向いています。特に、次のような資質や志向を持つ人であれば、経験を活かして活躍できるでしょう。
・ 課題の整理や解決策を考えるプロセスを楽しめる人
・ Webやデジタルの動向に関心があり、学び続けられる人
・ 数値をもとに成果を検証し、改善を重ねられる人
・ 制作チームなど、多様なメンバーとの連携を前向きに進められる人
・ 顧客と信頼関係を築くことにやりがいを感じる人
これらの資質は、営業経験やWeb業界での経験を通じて、すでに身につけている人も多いでしょう。新しい知識も、学ぶ意欲を持って取り組めば着実に身につけられます。
これまでのキャリアで培った強みをデジタル領域で発揮したい人にとって、Web営業は挑戦しがいのある選択肢です。
7. Web営業への転職・キャリアアップ
Web営業は、これまでの経験を活かして目指せる上に、その先のキャリアも広げやすい職種です。転職で目指す場合も、いまの職場で役割を広げる場合も、それぞれに描ける道があります。ここでは、Web営業を目指すルートと、Web営業の経験を次のステップにつなげるルートを紹介します。
7-1. 営業経験やWeb制作経験を活かしてWeb営業を目指す
Web営業は、これまでの営業経験やWeb制作の経験を活かして目指しやすい職種です。他業界で培った営業スキルは、顧客へのヒアリングや提案の場面で活用できます。Web制作やデザインの経験がある人なら、制作の流れや専門用語を理解している点が大きな強みです。また、Web広告の運用スキルを示す認定資格の取得や、Webマーケティングの入門書での学習は、知識を体系的に整える助けになります。
実務ではWeb広告やSEOの知識も求められるため、資格取得や独学で基礎を補いながら準備を進めると、早くからの活躍につながるでしょう。
7-2. Web営業の経験を活かしてディレクターやコンサルタントを目指す
Web営業で積んだ経験は、その先のキャリアを描く上で確かな土台にもなります。顧客対応や案件管理の実績を活かせば、制作全体を統括するWebディレクターへの道が開けます。施策提案や課題解決の経験を重ねると、より上流から事業戦略を支援するWebコンサルタントも視野に入ります。独立してフリーランスとして活動したり、自ら起業したりする道を選ぶ人もいる職種です。
顧客と向き合いながら得た知見は、マネジメントや企画といった職種でも強みとなり、キャリアの選択肢を大きく広げてくれるでしょう。
まとめ
Web営業は、Webサイトの制作やWeb広告、SEOといったデジタル施策を、顧客の課題解決のために提案する職種です。仕事はヒアリング、提案・見積もり、進行管理という流れで進み、顧客への提案力やヒアリング力、Webの基礎知識が成果を支えます。営業やWeb業界で培った経験は、Web営業で大いに活かせるだけでなく、ディレクターやコンサルタントへとキャリアを広げる土台にもなります。これまでの強みをデジタル領域で発揮したい人にとって、Web営業は前向きに検討する価値のある選択肢です。
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