SaaS営業の年収相場は?職種別比較と年収アップの方法を解説

(2026年09月04日掲載)
SaaS営業の年収は、担当する職種と顧客規模によって400万円台から1000万円台まで広がります。インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスでは、求められる役割や成果指標が異なるため、提示される年収レンジにも差があります。
ここでは、当社(マスメディアン)の求人を基に職種別の年収の目安を整理し、年収差が生まれる理由、市場価値を高めるスキル、年収アップの手順とキャリアパスを解説します。転職活動やキャリアプランを考える際の参考としてお役立てください。
1. SaaS営業の職種別の年収の目安
SaaS営業の年収は、担当する業務によって大きく異なります。商談機会を創出するインサイドセールス、受注を担うフィールドセールス、導入後の活用支援を行うカスタマーサクセスでは、求められる役割や成果指標が異なるため、年収水準にも差が生まれます。
以下は、当社で掲載している求人を基にした職種別の年収目安です。
| 職種 | 求人で多く見られる年収 | 上位帯の求人例 |
|---|---|---|
| インサイドセールス | 約350万円~600万円 | 約500万円~900万円 |
| フィールドセールス | 約400万円~800万円 | 約800万円~1000万円 |
| カスタマーサクセス | 約420万円~800万円 | 約650万円~1200万円 |
(出典:マスメディアン「求人検索」/https://www.massmedian.co.jp/search/)
1-1. インサイドセールスの年収の目安
インサイドセールスは、約350万円~600万円程度の求人が多く見られます。当社でも、約420万円~500万円、約402万円~600万円、約480万円~600万円といった募集が掲載されています。見込み顧客へのアプローチや商談機会の創出が主な業務であるため、SaaS営業のなかでは比較的スタートしやすい年収帯です。
一方で、約500万円~900万円の求人もあります。マーケティング部門との連携によるリード獲得施策の立案や、KPI管理、チームマネジメントなどを担うポジションでは、より高い年収が提示される傾向があります。
1-2. フィールドセールスの年収の目安
フィールドセールスは、約400万円~800万円の求人が中心です。マスメディアンには、約366万円~600万円、約414万円~650万円、約446万円~606万円、約450万円~800万円などの求人が掲載されています。商談から契約までを担当するため、成果が年収へ反映されやすく、SaaS営業の中でも高い年収を目指しやすい職種です。
年収800万円以上の求人では、エンタープライズ企業への提案や営業戦略の立案、新規市場の開拓などを担うケースが多く見られます。求人票では、営業マネージャー候補かどうか、組織づくりに携わるポジションかどうかも確認すると、自身の経験に合った求人を選びやすくなるでしょう。
1-3. カスタマーサクセスの年収の目安
カスタマーサクセスは、約420万円~800万円程度の求人が多く掲載されています。マスメディアンでは、約420万円~560万円、約450万円~700万円、約500万円~800万円といった年収帯が中心です。導入後のオンボーディングや活用支援、契約更新などを担当するため、顧客満足度や継続率が評価指標となるケースが多くあります。
一方で、大手企業を担当するポジションや、アップセル・クロスセルまで担うポジションでは、約650万円~1000万円、約500万円~1200万円の求人も見られます。顧客との関係構築だけでなく、事業成長につながる提案が求められるほど、年収水準も高くなる傾向があります。
2. SaaS営業の年収に差が生まれる理由
SaaS営業は同じ職種でも、年収に大きな差が見られます。成果に応じた報酬制度や担当する顧客、企業の成長フェーズなどによって、求められる役割や成果が異なるためです。 ここでは、SaaS営業の年収に差が生まれる主な理由を3つ紹介します。
2-1. 成果に応じたインセンティブ制度がある
SaaS営業では、固定給に加えて成果に応じたインセンティブを支給する企業が多くあります。そのため、同じ職種でも成果によって年収に差が生まれやすいのが特徴です。SaaSは継続利用を前提としたビジネスモデルであるため、単月の売上だけではなく、継続的な収益への貢献も評価対象になります。
職種ごとの評価指標の例
・インサイドセールス:商談創出数
・フィールドセールス:受注額
・カスタマーサクセス:契約更新率、アップセル・クロスセル
求人票に年収レンジが記載されている場合は、インセンティブを含む金額かどうか、どのような評価制度が採用されているのかも確認しておくとよいでしょう。
2-2. 顧客規模によって扱う金額が変わる
担当する顧客によっても年収は変わります。中小企業向けの営業と、大手企業を担当するエンタープライズ営業では、契約金額や商談の規模が大きく異なるためです。当社の求人でも、中小企業向けの営業より、エンタープライズ営業やパートナーセールスなど大手顧客を担当するポジションのほうが、高い年収帯で募集される傾向があります。大手企業への提案では、情報システム部門や事業部門、経営層など複数の関係者と調整しながら商談を進めるケースが少なくありません。案件規模が大きくなるほど求められる営業力も高くなるため、年収も高くなる傾向があります。
2-3. 企業の成長フェーズで報酬設計が異なる
企業の成長フェーズも、年収に影響します。立ち上げ期の企業では、新規顧客の開拓や営業手法の確立など、一人ひとりに幅広い役割が求められることが多く、成果に応じた報酬制度を採用しているケースもあります。一方、事業が拡大している企業では、営業組織や評価制度が整備され、営業マネージャーや組織づくりを担うポジションの募集も増えてきます。実際に、営業戦略の立案やメンバー育成を担うマネジメントポジションでは、一般的な営業職より高い年収帯で募集されることもあります。
求人票を見る際は、従業員数や事業規模だけでなく、募集ポジションに期待されている役割も確認すると、年収の背景を理解しやすくなるでしょう。
3. SaaS営業で市場価値を高めるスキル
SaaS営業として市場価値を高めるには、営業経験に加え、顧客の課題を整理する力、プロダクトの価値を伝える力、データを活用して営業活動を改善する力が求められます。
ここでは、SaaS営業として評価されやすい4つのスキルを紹介します。
3-1. 顧客の課題を捉えた提案力
SaaS営業では、顧客から要望を聞くだけではなく、本質的な課題を整理し、最適な提案を行う力が求められます。例えば、「業務を効率化したい」という相談に対しても、現在の業務フローや工数、課題が生じている背景を確認することで、より適切な提案につなげられます。単に機能を紹介するのではなく、顧客の課題を明確にし、その解決策としてサービスを提案できることが重要です。
上位ポジションの求人でも、課題のヒアリングから分析、提案まで一貫して担当した経験を歓迎要件としているケースが多く見られます。
3-2. プロダクトの価値をわかりやすく伝える力
SaaS営業では、機能の説明だけでなく、その機能によって顧客がどのようなメリットを得られるのかを分かりやすく伝える力も重要です。同じサービスでも、現場担当者・管理職・経営層では重視するポイントが異なります。そのため、相手の立場に合わせて説明する内容を整理し、伝え方を工夫することが求められます。
また、SaaSはアップデートの頻度が高いため、新機能や仕様変更を理解し、それを顧客に分かりやすく説明できることも営業としての強みになります。
3-3. データを基に商談を組み立てる力
SaaS営業では、営業活動をデータで振り返り、改善につなげる力も市場価値を高めるポイントです。職種ごとの確認すべき指標の例
・インサイドセールス:商談化率、アポイント獲得率
・フィールドセールス:受注率、失注理由
・カスタマーサクセス:利用状況や契約更新率
これらの指標を分析し、改善につなげられる人材は、多くの企業で評価されます。営業経験だけではなく、数値をもとに課題を見つけ、成果につなげる力も重要なスキルと言えるでしょう。
3-4. 解約を防ぎ利用を広げる力
SaaS営業では、新規契約の獲得だけでなく、契約後の継続利用を支援することも重要です。顧客の利用状況を把握し、解約を防ぎながら利用拡大につなげられる人材は、市場価値が高い傾向があります。例えば、利用状況を分析して活用が進んでいない顧客を早期に把握したり、個別のフォローや勉強会を実施したりすることで、サービスの定着を後押しします。継続利用によって成果を実感した顧客には、上位プランや追加機能を提案できる機会も増えていきます。
特にカスタマーサクセスでは、契約更新率やアップセル・クロスセルも重要な評価指標です。既存顧客との関係を深めながら、利用価値を高める提案ができる人材は、多くのSaaS企業で高く評価されています。
4. SaaS営業が年収アップを実現するステップ
SaaS営業として年収アップを目指すには、成果を継続して出せる営業力を身に付けた上で、より大きな案件や役割を任される経験を積むことが重要です。また、転職では実績を客観的に伝えられるかどうかも評価につながります。
ここでは、年収アップを目指すために意識したい3つのステップを紹介します。
4-1. 現在の担当領域で成果の再現性をつくる
まずは、担当している領域で継続的に成果を上げることが大切です。単月の実績だけでなく、四半期や年間を通して安定した成果を出しているかどうかは、昇進や転職でも重視されます。成果を積み重ねるためには、「なぜ成果につながったのか」を振り返ることも欠かせません。商談化率が向上した要因や受注率が改善した背景を整理しておくと、自身の営業スタイルを客観的に説明しやすくなります。
また、自分の取り組みをチームへ共有し、営業手法の改善や成果向上につながった経験があれば、再現性のある営業力として評価されやすくなるでしょう。
4-2. より大きな顧客や領域へ担当を広げる
一定の成果を出せるようになったら、担当する顧客や役割を広げることも年収アップにつながります。例えば、中小企業向け営業からエンタープライズ営業へ担当を広げたり、新規営業だけでなく既存顧客へのアップセルや営業戦略の立案に携わったりすることで、より高い役割を担えるようになります。
転職を検討する場合も、担当顧客や案件規模、営業範囲が広がる求人を選ぶことで、年収アップにつながる可能性があります。求人票では、担当顧客や募集ポジションの役割を確認すると、自身のキャリアとの相性を判断しやすくなります。
4-3. 実績を数値で整理して市場価値を高める
年収アップを目指す転職では、これまでの実績を具体的に伝えられることも重要です。売上や目標達成率、年間経常収益(ARR)、契約更新率、アップセルの実績など、成果を数値で示せる項目はできるだけ整理しておきましょう。実績をまとめる際は、「担当範囲」「目標」「結果」「成果につながった取り組み」の順で整理すると、内容が伝わりやすくなります。
例:
中堅企業50社を担当し、年間目標8000万円に対して達成率112%、契約更新率95%を達成
数値だけでは伝わりにくい場合は、営業フローの改善や提案資料の作成、チームへの展開など、成果につながった取り組みも添えると、自身の強みをより具体的にアピールできます。
5. SaaS営業の年収を踏まえたキャリアパスの考え方
SaaS営業は、経験を積むことで多様なキャリアを選択できます。営業として専門性を高める道もあれば、マネジメントに携わる道や、営業領域を広げて経験の幅を広げる道もあります。
どのキャリアを選ぶかによって求められる役割や年収は異なるため、自身が目指したい働き方に合わせて方向性を考えることが大切です。
5-1. 専門性を深めるスペシャリストの道
営業として専門性を高めたい場合は、スペシャリストを目指す選択肢があります。高難度の商談や大手企業への提案を担当するポジションでは、約800万円~1000万円の求人も見られます。専門性を高める方法としては、次のような取り組みが挙げられます。
・商材への理解を深め、技術的な要件整理まで対応できる知識を身に付ける
・製造業・金融業界など特定業界の課題や商習慣を理解し、業界特化型の提案ができるようになる
専門性が高まるほど、高単価案件や重要顧客を担当する機会が増え、年収アップにつながりやすくなります。
5-2. 組織を率いるマネジメントの道
営業組織をまとめる立場を目指す場合は、マネジメント職へのキャリアアップも選択肢の1つです。営業マネージャーや部門責任者の求人は、比較的高い年収帯で募集される傾向があります。マネジメント職では、以下のような役割が求められます。
・メンバー育成
・目標管理
・営業戦略の立案
・採用、組織づくり
そのため、営業実績に加え、チームの成果向上につながる施策を企画・実行した経験や、メンバー育成に携わった経験があると、マネジメント職へのキャリアアップにつながりやすくなります。
5-3. 営業領域を横に広げる道
営業領域を広げることで、キャリアの選択肢を増やす方法もあります。キャリアチェンジの例
・インサイドセールス→フィールドセールス
・フィールドセールス→カスタマーサクセス
・既存営業→パートナーセールス(代理店開拓・アライアンス)
担当できる業務の幅が広がることで、将来的なキャリアアップや新たなポジションへの挑戦もしやすくなるでしょう。
まとめ
SaaS営業の年収は、インサイドセールスが350万円台から、フィールドセールスとカスタマーサクセスが400万円台から始まり、担当する顧客規模や役割の広さによって1000万円台まで伸びる可能性があります。年収アップを目指すには、現在の担当領域で成果を積み重ねながら、より大きな顧客や幅広い営業領域を担当できる経験を重ねることが重要です。
また、営業実績を数値で示せるよう整理しておくことで、転職やキャリアアップの際にも強みとしてアピールしやすくなります。自分が目指すキャリアに合わせて必要なスキルや経験を身に付け、市場価値を高めていきましょう。
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