SNS運用の職務経歴書には何を書く?担当業務別の書き方と例文

(2026年11月04日掲載)
SNS運用の職務経歴書では、担当したSNSの種類やチーム体制、運用目的、KPIと達成実績を具体的に示すことが大切です。一方で、投稿制作や効果測定などの経験をどのようにまとめればよいか、迷う方もいるでしょう。
本記事では、職務経歴書に必要な基本情報や担当業務別の書き方、職務要約から自己PRまでの例文、応募先に合わせた仕上げ方を解説します。自身の経験や強みが採用担当者に伝わる職務経歴書の作成にお役立てください。
この記事のポイント
- SNS運用の職務経歴書の基本情報:担当したSNSの種類とアカウントのジャンル、運用期間とチーム体制、運用目的・KPI・達成実績を関係がわかる形で書く
- 担当業務別の書き方:運用戦略・投稿制作・効果測定・コメント対応・インフルエンサー施策の業務ごとに、担当範囲と数値の成果を具体的に示す
- 法令に関わる経験:ステルスマーケティング規制や景品の金額の上限を踏まえ、広告表記や景品の条件を社内で確認した工程も職務経歴書に書ける
- 応募先に合わせた仕上げ:求人票の必須条件に関係する経験を先に示し、応募先が力を入れているSNSの実績を前半で詳しく紹介する
- 掲載可否の確認:担当アカウントの名称やURLは勤務先の許可を確認し、未公表の売上額や広告費は記載を避けるか割合や倍率に置き換える
1. SNS運用の職務経歴書に盛り込みたい基本情報
1-1. 運用したSNSの種類とアカウントのジャンル
1-2. 運用期間とチーム体制
1-3. アカウント運用の目的・KPI・達成実績
| 運用の目的 | 示したいKPIの例 | 記載例(架空のサンプル) |
|---|---|---|
| 認知の拡大 | リーチ数・インプレッション数 | 月間リーチ数を半年で1.5倍に拡大 |
| ファンの育成 | エンゲージメント率・保存数 | エンゲージメント率を半年で2.1%から3.4%に改善 |
| 購入の促進 | 公式ECサイトへの流入数 | 商品ページへの月間遷移数を前年比125%に改善 |
2. 【担当業務別】SNS運用の経験の書き方
SNS運用では、担当する業務によって必要なスキルが異なります。職務経歴書は担当業務ごとに分けて書くと、経験やスキルの幅が伝わりやすくなります。ここでは、代表的な5つの業務について、経験の書き方を解説します。
2-1. 運用戦略・企画立案の経験
運用戦略・企画立案の経験は、課題、運用方針、実施した企画の順に記載しましょう。アカウントの目的やターゲット、投稿内容を決めた経験は、自分の考えや工夫を伝える材料になります。ターゲットの設定、競合アカウントの調査、投稿スケジュールの作成など、担当した業務を具体的に挙げましょう。例えば、競合する3つのアカウントの投稿頻度を調べ、投稿する曜日を変更した場合は、調査内容と改善策をあわせて示すと伝わりやすくなります。運用方針を見直した経験があれば、変更のきっかけとなった数値も添えると、判断した理由が伝わります。
2-2. 投稿コンテンツ・クリエイティブ制作の経験
投稿コンテンツ・クリエイティブ制作の経験は、制作物の種類や本数、担当した業務を具体的に示しましょう。フィード投稿・ストーリーズ・ショート動画など、投稿形式ごとに月間の制作本数を書くと、業務量が伝わります。企画、撮影、動画編集、画像制作、投稿文の作成など、実際に担当した工程も記載しましょう。使用したツールは、CanvaやPremiere Proなどの名称を挙げます。反応のよかった投稿を分析し、次の企画に活かした経験があれば、その取り組みも添えましょう。制作物を採用担当者に見てもらいたい場合は、掲載許可を得た投稿をポートフォリオにまとめる方法もあります。
2-3. 効果測定・レポーティングの経験
効果測定・レポーティングの経験は、確認した指標や頻度、分析結果をもとに改善した内容を記載しましょう。例えば、投稿ごとの保存数を毎週確認し、毎月の結果を関係部署へ報告していた場合は、確認の頻度や報告先も示すと業務内容が伝わります。数値を報告するだけでなく、分析結果をもとに投稿テーマを変更した経験があれば、改善までの流れも書きましょう。Excelや社内の分析ツールなど、集計に使用したツールも記載します。企画・マーケティング職への応募では、効果測定によって得られた成果を数値で示すと、強みを伝えやすくなります。
2-4. コメント対応・コミュニティ運営の経験
コメント対応・コミュニティ運営の経験は、対応件数や返信ルール、ファンとの交流内容を具体的に示しましょう。公式アカウントに届くコメントやDMへの対応は、件数や対応の質を通じて成果を伝えられる業務です。月間の対応件数、返信ルールの作成、批判的なコメントが届いた際の社内報告の手順などを記載すると、担当した業務が伝わります。返信ルールを統一し、担当者による回答のばらつきを減らした経験があれば、改善実績として示しましょう。ユーザー参加型のキャンペーンやファンイベントを担当した場合は、参加人数や開催回数も記載するとよいでしょう。
2-5. インフルエンサー施策・キャンペーン運営の経験
インフルエンサー施策・キャンペーン運営の経験は、実施規模や担当業務、成果を具体的に記載しましょう。起用した人数や選定基準、依頼内容、投稿内容の確認、応募数や投稿数などを分けて書くと、担当範囲が伝わります。広告であることを隠すステルスマーケティングは、2023年10月1日から景品表示法の規制対象となっています(※1)。企業が依頼した投稿も、内容や関与の程度によって規制対象となる場合があります。また、商品の購入などを条件に抽選で景品を提供する場合は、景品表示法で定められた景品の金額の上限にも注意が必要です(※2)。
広告表記や景品の条件を社内で確認した工程も、職務経歴書に書ける経験です。
3. SNS運用の職務経歴書の例文
SNS運用の職務経歴書は、項目ごとに書く内容を整理すると、自分の経験をまとめやすくなります。ここでは、化粧品メーカーで公式SNSを4年間担当した方を想定し、4つの項目の例文を紹介します。社名や数値は架空のため、実際の経歴に合わせて書き換えてください。
3-1. 職務要約の例文
職務要約は、経験年数、担当したSNS、自分の役割、主な実績、強みの順にまとめましょう。職務経歴書の冒頭に記載するため、応募先企業が求める経験を優先して書くと、募集内容に合ったスキルを伝えやすくなります。以下は、事業会社で公式SNSを運用してきた場合の例文です。化粧品メーカーのマーケティング部で約4年間、自社ブランドの公式SNSを運用してきました。InstagramとXを中心に、運用方針の策定、月間20本の投稿企画、効果測定、月次レポートの作成を担当しています。3人のチームで主担当を務め、投稿の分析結果をもとに投稿テーマを見直した結果、Instagramのフォロワー数を2年間で3.5万人から8万人に増やし、公式ECサイトへの月間流入数を前年比140%に伸ばしました。業務を通じて、数値から課題を見つける分析力と、関係部署と協力して企画を進める調整力を身につけました。
3-2. 職務経歴・実績の例文
職務経歴・実績は、勤務先の情報、担当した業務、実績を分けて記載しましょう。職務内容には具体的な担当業務を、実績には比較対象を含む数値を書くと、自分の役割と成果が伝わりやすくなります。以下は、チームの主担当としてSNSを運用した場合の例文です。2022年4月~現在 株式会社〇〇
事業内容:化粧品の製造・販売(従業員数約300人)
2022年4月~現在 マーケティング部 主任
【職務内容】
自社ブランドの公式InstagramとXの運用を担当。3人のチームで主担当を務め、運用方針の策定、月間20本の投稿企画、インフルエンサー施策の進行管理、月次レポートの作成を実施。
【実績】
投稿ごとの保存数を分析し、商品の使い方を紹介する投稿を増やした結果、平均保存数が1年間で1.6倍に増加。新商品の発売キャンペーンでは6人のインフルエンサーを起用し、関連投稿数を前回比1.5倍に伸ばした。
3-3. 活かせる経験・スキルの例文
活かせる経験・スキルは、身につけた能力と実際に担当した業務を組み合わせて記載しましょう。応募先企業の求人票に記載された業務と関連する経験から順に並べると、採用担当者に強みが伝わりやすくなります。以下は、SNS運用全般を担当してきた場合の例文です。SNS運用:InstagramとXの公式アカウント運用(4年間)
企画:投稿テーマの設計とキャンペーンの企画立案
分析:Instagramインサイトやアクセス解析ツールを使った効果測定
制作:Canvaでの画像制作、Premiere Proでの短尺動画編集
部門調整:商品企画部や広報部と連携した新商品の投稿計画の調整
チーム運営:投稿制作の担当者の割り振りと進行管理
報告:月次レポートの作成と翌月の投稿計画の提案
コメント対応:コメントやDMへの返信ルールの整備
法令確認:インフルエンサー施策の広告表記や景品条件の確認
3-4. 自己PRの例文
自己PRは、自分の強み、直面した課題、取り組み、成果、入社後の貢献の順にまとめましょう。職務経歴に記載した業務のなかから、特に伝えたい経験を1つ選び、具体的に説明します。成果が大きかった経験や、応募先企業の業務に関連する経験を選ぶとよいでしょう。最後は、応募先企業でどのように強みを活かせるかを伝えます。以下は、分析力を強みとする場合の例文です。私の強みは、数値から課題を見つけ、関係部署と協力して改善につなげる分析力です。現職では、フォロワー数は増えていたものの、公式ECサイトでの購入件数が伸び悩んでいました。そこで、購入者のコメントと投稿ごとのデータを分析し、新商品発売直後の投稿に商品情報が不足していることを確認しました。分析結果を商品企画部に共有し、発売の1カ月前から共同で投稿計画を立てる体制に変更しました。その結果、投稿経由の月間購入件数を半年で1.3倍に増やすことができました。貴社でも、データをもとに改善を重ね、SNSを通じたブランドの認知拡大と購入促進に貢献してまいります。
4. SNS運用の職務経歴書を応募先に合わせて仕上げるポイント
職務経歴書の内容は、求人票や公式アカウントの情報をもとに応募先企業ごとに調整すると、募集内容との接点が伝わりやすくなります。ここでは、提出前に確認したい3つのポイントを解説します。
4-1. 求人票の要件に合わせてアピールする経験を選ぶ
職務経歴書でアピールする経験は、求人票の業務内容や応募条件に合わせて選びましょう。企業が求める経験やスキルを確認し、自分の経歴と共通する部分を探すことが大切です。例えば、動画制作の経験が求められている場合はショート動画の制作実績を、SNS広告の運用が求められている場合は広告と通常投稿を組み合わせた経験を優先して記載します。必須条件に関係する経験を先に示し、歓迎条件に関係する経験を続けるとよいでしょう。求人票に書かれた業務名に合わせて記載すると、採用担当者が応募条件と経験を照らし合わせやすくなります。
4-2. 応募先が注力するプラットフォームの実績を厚めに記載する
応募先企業が力を入れているSNSの実績は、職務要約や職務経歴の前半で詳しく紹介しましょう。応募前に公式アカウントの投稿内容や頻度、求人票を確認すると、企業が重視しているSNSを把握しやすくなります。例えば、Instagramの運用担当者を募集している企業には、フォロワー数やリーチ数の増加、投稿の改善実績などを優先して記載します。TikTokに力を入れている企業であれば、ショート動画の制作本数や再生数、企画から編集までの担当範囲を示すとよいでしょう。
複数のSNSを運用した経験がある場合も、すべてを同じ分量で書く必要はありません。応募先企業の業務に関連する経験を詳しく記載すると、求められるスキルを伝えやすくなります。
4-3. 担当アカウントの掲載可否を確認する
職務経歴書に担当アカウントの名称やURLを記載する際は、勤務先の許可を確認しましょう。アカウントが一般公開されていても、担当者の情報や社内の数値を公開できるとは限らないためです。不正競争防止法では、秘密として管理され、事業に役立ち、一般に知られていない情報を「営業秘密」と定めています(※3)。就業規則や誓約書を確認し、未公表の売上額や広告費は記載を避けるか、認められた範囲で割合や倍率に置き換えましょう。
アカウント名を公開できない場合は、「化粧品ブランドの公式Instagram」など、業種や運用内容が伝わる表現に置き換えましょう。
まとめ
SNS運用の職務経歴書では、担当したSNSの種類や運用期間、チーム体制、目的とKPIを具体的に記載しましょう。企画立案や投稿制作、効果測定など、担当業務ごとに経験と成果を整理すると、自分の強みが伝わりやすくなります。また、応募先企業が求めるスキルに合わせて実績を選び、アカウント名や数値の掲載可否も確認することが大切です。
マスメディアンは、マーケティング・クリエイティブ職種に強みを持つ転職エージェントです。職務経歴書の作成やブラッシュアップの相談から、希望に合った求人の紹介までサポートしています。SNS運用の経験を活かして転職を目指す方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※1:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/)
※2:消費者庁「景品規制の概要」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation/)
※3:e-Gov法令検索「不正競争防止法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000047#Mp-Ch_1-At_2)
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