ライターの職務経歴書の書き方は?例文付きで評価のポイントを解説

(2026年08月21日掲載)
ライターの職務経歴書は、担当した媒体・執筆実績・生かせるスキルを数字と具体例で示すほど、書類選考の通過率が高まります。
職務経歴書は履歴書と違って書式が自由なため、何をどの順序で書けばよいか迷いやすい書類です。「執筆多数」「幅広いジャンルに対応可能」といったあいまいな書き方では実力が伝わらず、経験が豊富でも書類選考で埋もれてしまいます。ライターの場合は、職務経歴書そのものが文章力の見本として読まれる点も見逃せません。
この記事では、ライターの職務経歴書の書き方、採用担当に評価されるポイント、経験パターン別の例文を解説します。
1. ライターの職務経歴書に書く項目は?
ライターの職務経歴書では、表題・氏名・作成日・職務経歴などの基本項目に加え、以下の5項目を押さえます。
・職務要約
・担当した媒体・ジャンルと業務範囲
・執筆実績・成果
・生かせるスキル・知識
・自己PR
まずはこの5項目を見出しとして書き出し、手持ちの経歴や実績を各項目へ割り振ってから中身を仕上げると、同じ実績をどの項目に書くべきか迷わずに済み、項目間で内容が重複するのも防げます。
1-1. 職務要約
職務要約は、これまでの執筆キャリアを3~4行で簡潔にまとめ、冒頭に置く項目です。採用担当が経歴の全体像と強みを把握できるよう、要点を端的に示しましょう。盛り込む要素は、経験年数、担当してきた媒体の種類、主な執筆ジャンル、強みの4点です。例えば「制作会社で生活情報ジャンルのWeb記事を5年間執筆。構成作成から入稿まで一貫して担当」のように短く言い切り、詳細は続く項目に譲りましょう。
1-2. 担当した媒体・ジャンルと業務範囲
担当した媒体・ジャンルと業務範囲の項目には、どんな媒体で、どのジャンルを、どの工程まで担当したかを具体的に書きましょう。同じ「ライター」という肩書でも、企画・取材・執筆・編集・入稿のどこまで担うかは職場ごとに大きく異なるためです。例えば、「求人サイトのオウンドメディアで転職ノウハウ記事を担当。構成案の作成と執筆、公開後の効果測定まで対応」というように担当範囲を明確に書くと、応募先が求める業務との関係が一目で伝わります。チーム制作の場合は、「企画は編集部、執筆は自分」というように分担まで示すと誠実で、採用担当が実務レベルを判断しやすくなります。
1-3. 執筆実績・成果
執筆実績・成果は、本数・PV(ページビュー)・検索順位・継続依頼といった数字や事実で示す項目です。ライターの職務経歴書の中で応募者ごとの差が最も表れやすいため、時間をかけて仕上げる価値があります。「執筆多数」という書き方では、経験の量も質も判断できません。「SEO記事を月15本、累計600本執筆」「担当記事のうち12本が検索10位以内を獲得」のように、実際の記録を数えて具体的な数字に置き換えましょう。本数、PV、検索順位、継続発注の年数といった指標を、記録の残っているものから拾い出すのがコツです。
なお、記事の現物を実績として提示したい場合は、職務経歴書とは別にポートフォリオを用意しましょう。職務経歴書には本数・成果・担当工程を記載し、代表作はポートフォリオのURLなどで参照できるようにしてください。応募先から指定がある場合のみ、代表作のURLや画面キャプチャーを職務経歴書に加えます。
1-4. 仕事に生かせるスキル・知識
生かせるスキル・知識には、SEO、構成案の作成、取材・インタビュー、編集・校正、CMSの操作など、応募先の業務で発揮できるスキルを書きます。金融や医療、法律のような専門ジャンルの知識や資格も、記事の正確性を支えるスキルとして立派なアピール材料です。ただし、スキルの名称を並べるだけでは、実務のレベルが伝わりません。「CMS操作。WordPressで月20本の入稿と装飾設定を担当」というように、そのスキルで何をしてきたかをセットで示しましょう。応募先の求人票にある必須条件・歓迎条件と重なるスキルを優先して載せると、採用担当が入社後の活躍をイメージしやすくなります。
1-5. 自己PR
自己PRは、取材力、リサーチ力、納期遵守、読者視点の構成力といった自分の強みを挙げ、その強みが実績にどう表れたか、応募先の業務でどう発揮できるかを書く項目です。強みは名称だけで終わらせず、裏づけとなる具体的な行動とセットで説明します。生かせるスキル・知識の項目の繰り返しにならないよう、強みが生まれた経緯と、応募先での活かし方まで踏み込むのがポイントです。例えば、「公開前に一次情報の確認を徹底し、修正依頼やクレームを減らしてきた。正確性が求められる貴社の金融メディアでも貢献できる」のような流れで書くと説得力が生まれます。応募先を選んだ理由そのものは志望動機で扱う内容のため、自己PRでは強みと貢献に絞りましょう。
2. 採用担当に評価されるライターの職務経歴書のポイントは?
同じ経歴でも、見せ方しだいで職務経歴書の評価は変わります。採用担当がライターの書類で確認しているのは、「実績が数字で裏づけられているか」「得意ジャンルが明確か」「文章と体裁が読みやすいか」の3点です。項目を埋める段階からこの3点を意識すると、後からの書き直しが減らせます。以下では、評価されるポイントを1つずつ解説します。
2-1. 執筆実績を数字や成果で定量化する
執筆実績は、本数・PV・検索順位・SNSでの反響・継続率など、数字と成果で定量化するほど説得力が増します。採用担当は応募者の仕事ぶりを直接見られず、数字が実力を測る数少ない手がかりになるためです。まずは月間・累計の執筆本数、担当記事の検索順位、リニューアル後のPVの伸びなど、記録が残っているものから拾い出してください。継続契約や専属ライターで執筆本数そのものを数えにくい場合は、「担当した連載が月間10万PVの看板企画に成長した」「同じ発注元から2年間継続して依頼を受けた」のように、担当企画の成果や取引の継続期間を数字にして示す方法があります。
数字にできない実績は、「担当記事が編集部の特集企画に採用された」「マニュアル化した執筆フローが部署全体に展開された」など、第三者に評価された事実を伝えましょう。
2-2. 得意ジャンル・専門領域を軸に構成する
「何でも書けます」とアピールするより、得意ジャンル・専門領域を中心に経歴を構成するほうが、応募先が自社の業務への適性を判断しやすくなります。まず実績を棚卸しし、本数や成果が集中しているジャンルを特定します。その上で、応募先の媒体・テーマに近い実績を職務経歴書の前半に置き、専門性が一目で伝わる並びに整えましょう。応募先ごとに実績の並び順を入れ替えるだけでも、採用担当が最初に目にする実績が変わり、「自社の媒体に合う書き手だ」と受け取ってもらいやすくなります。
金融・医療・法律など専門性が問われる分野では、関連する資格や前職で得た業務知識を添えると、ジャンル理解の裏づけになり、任せられる仕事の幅も伝わります。
2-3. 応募先が読みやすい文章・体裁で書く
ライターの職務経歴書は、内容に加えて文章そのものが文章力のサンプルとして読まれます。要点のつかみにくい書類を提出すると、実績が十分でも「読者向けの原稿も読みにくいのではないか」という不安を与えかねません。読みやすくするコツは、「一文を短く区切る」「業務内容は箇条書きで整理する」「実績の数字は文の前半に出す」の3つです。A4用紙で余白を持たせたレイアウトにし、フォントや記号の使い方もそろえるのが大切です。
誤字脱字は、ライターの応募書類では特に大きな減点要因です。提出前に声に出して読む、一晩置いて読み返すなど、校正の工程を必ず挟みましょう。整った書類は、それだけで実務スキルの証明になります。
3. 【経験パターン別】ライターの職務経歴書の例文
ここからは、Webメディアの記事執筆が中心の場合、取材・インタビュー記事の経験がある場合、編集・広報など隣接職種の経歴を持つ場合の3パターンに分けて、職務要約・実績・自己PRの抜粋を示します。 なお、例文中の社名・媒体名は架空で、数値はいずれもサンプルです。自分の実績に置き換えて活用してください。
3-1. Webメディアの記事執筆が中心の場合
Webメディアの記事執筆が中心の場合は、担当ジャンル・執筆本数・検索順位やPVなどの成果を数字で示すことが、書類選考での評価につながります。Webライターの実績は公開後のデータで裏づけやすく、応募先も定量的な成果を重視するためです。この例文が評価されるのは、実績が数字で示され、担当した工程の範囲が明確な点です。得意ジャンルが一致していれば、即戦力としての期待度はさらに高まります。【職務要約】コンテンツ制作会社で、美容・ヘルスケア分野のWebメディアを中心に、SEO記事の構成作成と執筆を4年間担当しています。キーワード調査、構成案の作成、執筆、入稿、公開後のリライトまで一貫して対応できます。
【担当した媒体・業務範囲】自社運営の美容メディアと、化粧品メーカー2社のオウンドメディアで、SEO記事とコラムを担当。キーワード選定、構成案の作成、執筆、WordPressでの入稿、公開後の検索順位の計測とリライトまでが担当範囲です。
【執筆実績】SEO記事を月15本、累計600本以上執筆。担当記事のうち20本が検索結果の10位以内に表示され、主要カテゴリの月間PVは8万から15万へ伸長しました。取引先3社から2年以上継続して発注をいただいています。
【生かせるスキル・知識】SEOライティング(検索意図の分析と構成設計)、WordPressでの入稿・装飾設定、Googleサーチコンソールでの順位分析、美容・ヘルスケア分野の基礎知識に基づくファクトチェックが行えます。
【自己PR】検索意図の分析に基づく構成づくりを強みとしています。新規記事の執筆に加えて公開済み記事の改善提案も行い、担当メディアの検索流入の増加に貢献してきました。貴社では、記事制作と既存記事改善の両面で力を発揮したいと考えています。
3-2. 取材・インタビュー記事の経験がある場合
取材・インタビュー記事の経験者は、企画から取材・執筆・編集までの担当範囲と、取材対象の幅を示すと評価が高まります。編集工程まで担ってきた場合は、自分で原稿を書き上げる力に加えて、他のライターの原稿を編集・校正できる力もアピール材料になります。この例文は、担当範囲の広さと取材対象の幅が具体的に示され、応募先で任せられる役割を想像しやすい点が強みです。取材の件数や企画の成果まで数字で示すと、経験の厚みが伝わります。【職務要約】出版社で地域情報誌とそのWeb版を担当し、取材記事の企画から執筆・編集まで6年間携わっています。経営者や専門家へのインタビューを中心に、企画立案、取材交渉、原稿執筆、他のライター原稿の編集・校正まで対応しています。
【担当した媒体・業務範囲】月刊の地域情報誌と連動するWebメディアで、取材記事・インタビュー記事を担当。企画立案、取材先へのアポイント調整、取材・撮影同行、原稿執筆、寄稿ライターの原稿の編集・校正までを担当範囲としています。
【執筆実績】取材・インタビュー記事を累計300本以上執筆し、うち経営者インタビューは120本を担当。企画した創業特集は隔月の定番企画となり、誌面とWebの連動企画では公開月のWeb流入が前月比1.5倍になりました。
【生かせるスキル・知識】インタビュー取材(事前リサーチ・質問設計・当日の進行)、他者原稿の編集・校正、紙面レイアウトの指定が行えます。また、地域経済と中小企業経営の基礎知識があります。
【自己PR】初対面の相手から具体的なエピソードを引き出す取材力と、専門的な話を平易な文章に整える編集力が強みです。貴社メディアの専門家監修コンテンツでも、取材から原稿化まで一貫して担当し、記事の信頼性の向上に貢献します。
3-3. 編集・広報など隣接職種の経歴を持つ場合
編集・広報・マーケティングなど、執筆や情報発信に関わる隣接職種の人は、前職の業務を、担当した工程と成果が分かる形でライティングの経験として分解して書くのがコツです。ライターとしての勤務経験がない人でも、業務で文章を書き、社外や読者に向けて公開してきた事実は執筆実績として示せます。この例文は、広報の業務が取材・執筆・効果測定という工程に分解され、ライターの実務と重なる形で示されている点が評価のポイントです。隣接職種からの応募では、経験の棚卸しの丁寧さが職務経歴書の質を左右します。【職務要約】食品メーカーの広報として5年間、プレスリリースの執筆とオウンドメディアの運営を担当しています。社内取材、記事の企画・執筆・効果測定まで、コンテンツ制作の一連の工程を経験しています。
【担当した媒体・業務範囲】自社オウンドメディアの運営とプレスリリースの配信を担当。商品開発・営業担当者への社内取材、記事企画、執筆、CMS入稿、公開後のアクセス解析までが担当範囲です。
【執筆実績】プレスリリースを年間40本、オウンドメディアの記事を月8本執筆。執筆したリリースのうち12本がWebニュースに掲載され、メディアの月間PV数は開設2年で6万PVに到達しました。
【生かせるスキル・知識】広報文と記事の企画・執筆、社内取材、Googleアナリティクス(GA4)での効果測定、食品表示や景品表示法に配慮した表現のチェックが可能です。
【自己PR】読み手に合わせて切り口を変える構成力が強みです。広報文と読み物記事の両方を書き分けてきた経験を生かし、貴社メディアでは企画段階から読者ニーズを踏まえた記事づくりに貢献できます。
4. ライターの職務経歴書で注意したいことは?
ライターの職務経歴書では、受託記事や無署名記事を実績として示す際に注意が必要です。特に気をつけたいのは、「守秘義務・掲載元の許諾への配慮」「応募先に合わせた経歴の取捨選択」「署名のない実績の示し方」の3つです。見落とすと、実績の信頼性そのものを疑われる場合もあります。受託・社内制作で生じやすい論点のため、提出前に確認しましょう。
4-1. 守秘義務・掲載元の許諾に配慮して実績を書く
受託記事や社内制作の記事を実績として書くときは、契約書・秘密保持契約・社内規程を確認し、非公開情報に該当する媒体名やクライアント名は記載してはいけません。応募書類とはいえ社外に出す文書のため、秘密保持契約に反した記載は、それ自体が信用を損なう行為になります。契約内容を確認できない場合や名前を出せない場合は、「大手ECサイトのオウンドメディア」「上場企業の採用サイト」のように、業種・規模で言い換えて書きましょう。実名を伏せても、ジャンルと業務範囲が分かれば実績の価値は十分伝わります。面接などで記事の現物の提示を求められたときは、事前にクライアントや掲載元へ提示してよいかを確認し、許可が取れた記事だけを見せるようにします。
4-2. 応募先に関係ない経歴まで盛り込みすぎない
職務経歴書は、応募先の媒体・ジャンルに関係する経歴と実績を選んで書くのが基本です。経験したことをすべて並べると、アピールしたい実績が埋もれ、採用担当に強みが届きません。応募先の求人内容と重なる実績を前半に置き、関連の薄い経歴は1~2行に圧縮しましょう。例えばWeb媒体への応募なら、紙媒体の経験は「情報誌の編集を3年担当」と簡潔にまとめ、Web記事の実績に行数を割く、といった配分です。分量はA4用紙1~2枚を目安とし、応募先の指定や経歴量に応じて調整すると、読み手の負担を抑えられます。
4-3. 署名のない記事の実績は本数・成果・担当工程で示す
署名のない記事やゴーストライティングの実績は、記事URLや著者名で自分の実績が証明できないため、本数・成果・担当工程の3点で示しましょう。例えば、本数・規模は「美容ジャンルのSEO記事を月10本・累計400本」、成果は「担当記事のうち30本が検索10位以内・月間20万PVの媒体を担当」、担当工程は「構成・取材・執筆・入稿まで一貫対応」といった形で組み合わせます。媒体名を出せない場合は、業種・規模を伝える形にしましょう。
URLを示せる署名記事が別にあるなら、その作品はポートフォリオで見せるのが役割分担です。職務経歴書は、数字と工程で実績を語る書類と割り切って作成すると、匿名の実績も書けます。
まとめ
ライターの職務経歴書は、担当した媒体・執筆実績・生かせるスキルを数字と具体例で示すことで、採用担当が経験やスキルを判断しやすくなります。まずは経歴の棚卸しから始め、例文を自分の実績に置き換えて1枚仕上げてみましょう。守秘義務への配慮と署名のない実績の示し方も、提出前に確認してください。
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