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【福岡特集】制作会社でも開発会社でもない。我々はグロースハック会社─株式会社エニセンス

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Web制作や自社コンテンツの開発をおこなうエニセンス。福岡地場の優良なクライアントの仕事を数々手がけ、また自社開発したアプリ「myAppシリーズ」は200万DLを超える人気ぶり。同社の代表である熊谷さんに、クライアントワークと自社コンテンツのバランスについてお聞きしたところ、「自社コンテンツで成長を目指すのは当たり前だが、クライアントワークでもお客さまの成長にコミットしている。」という言葉が返ってきました。両輪で得られた知見を重層的に活かしていくエニセンスの強さに迫ります。(マスメディアン編集部)

──まず、エニセンスを立ち上げたきっかけを教えていただけますか?
熊谷:もともと携帯電話(ガラケー)の通信プロトコルをつくる仕事をしていました。そうしたなか、どんどん通信速度が上がって、携帯電話の中にカメラやクレジットカードなどいろいろな機能が入るようになって、ハード面はすごく発達しました。一方で、そのなかにあるソフトはその当時まだあまりなかったんですね。なので、そういったコンテンツをつくりたいなと思って会社を設立しました。

──その後、創業当時から今に至るまではどのような経緯をたどって来られたのでしょうか?
熊谷:当初は、携帯電話キャリア向けのコンテンツプロバイダとして、iモードやEZwebのようなキャリア公式メニューに載って、ユーザーから月額料金をいただくというモデルでした。例えばチャットや掲示版のようなコミュニケーションツールを提供して、そこに集まったユーザーからの課金や、クライアントからの広告出稿で成り立っていました。あとは、着信メロディやデコメール、Flashのミニゲームとか。その後、スマホ特にiPhoneが出てきて一気に市場が変わったんですよね。Softbankだけだったのが、au、docomoと次々にキャリアで採用されて、ユーザーがスマホにシフトするとともに、ガラケーのサービスに広告を出稿してくださるクライアントもどんどん少なくなって、当社も危機的状況に陥ったんです。そこで、スマホに移行しようと思ったのですが、ビジネスモデルが違うのですぐにはできませんでした。スマホには挑戦しつつも、その間をつながないといけないとなったときに、お客さまからデザインやシステム開発を発注いただく受託制作を強化しました。それが現在も当社の事業のひとつである、クライアントワーク事業です。その後なんとか会社を立て直して、自社コンテンツにもう一回挑戦しようと思い、スマホアプリを強化するため、3年ほど前に一旦受託(クライアントワーク事業)を止めたんです。そのとき社内の3~4チームがそれぞれ2週間に1本ペースでアプリを出していき、1カ月に10本くらい、半年で計60本くらいのアプリをつくりました。そのなかでユーザーの反応がいいもの、ニーズにマッチしているものを残し、今成長しているのが自社コンテンツの「my App(マイアップ)」シリーズです。


──たくさんあった中から「my App」シリーズが残ったポイントってどういう部分だったんでしょうか?
熊谷:すごくシンプルだということですかね。機能をいっぱい詰め込んでも、すべての機能を使いこなせるケースってそんなにないと思うんですよね。そういうあまり使わない部分を削ぎ落として、メインの部分をよりよく使ってもらうためにユーザビリティ、ユーザー体験(UX)をしっかり考えてシンプルにしたっていうのがユーザーに受け入れられているのかなと思います。

「my App(マイアップ)」シリーズ

──一旦クライアントワークをストップしていますが、今は自社コンテンツと両立されていますよね。再びクライアントワークに取り組むようになったきっかけを教えていただけますか?
熊谷:当時はアプリをゼロから立ち上げて、成長させていかないといけないので、そこに集中していたんですよね。ただ、その過程でお客さまが僕らのアプリの実績を見て、ご相談いただくケースが非常に多かったんです。なので、それをお受けしているなかで、きちんとひとつの事業部としてやっていこうということになりました。あとは、自社コンテンツを成長させるときには必ず運転資金は必要だと思うので、クライアントワーク事業をやりながら、そこで稼いだ売り上げを自社コンテンツに投資していくという流れをバランスよくおこなっている感じですね。浮き沈みの激しい中で、事業を3回くらい切り替えてようやく今に至っています。もしかしたらまた変わるかもしれないですけど (笑)。
 
──ガラケーからスマホへの移り変わりという激動の時代の中で、生き残り、成長し続けられた秘訣や大切にしてきたことはありましたか?
熊谷:当社では、『個性のミカタ』という理念があって、それに付随した『ミカタカード』という我々にとって掟のような行動指針があるんです。それを意識してやってきました。なかでも、挑戦し続けるという意識は常に持っていますね。結局やらないと可能性はゼロだと思うので、できるかできないかじゃなくてやるかやらないか。そういった内に秘めたるものを『ミカタカード』として言語化して、会社のなかで共通言語として持った上で、行動をともにするということが大事なのかなと思います。
 
──現在は、自社コンテンツとクライアントワークを両立されていますが、具体的に自社コンテンツで得られたことをどのようにクライアントワークに活かしているんでしょうか?
 

熊谷:「グロースハック」という言葉を最近よく聞くと思うんですけど、きちんとPDCAサイクルを実行していくことなんですね。みんな当たり前だと思うかもしれませんが、意外にやれてないんです。お客さま(クライアント)自身で本業をおこないながら継続していくのは結構難しいと思うんです。そういった部分を僕らが請け負っている。だから、当社はクリエイティブ会社とかシステム会社というわけではなく、クライアントの事業やサービスを0.1%でも成長させるということに重きを置いたグロースハック企業なんです。それを自社のサービスで実現させているからこそ、そこに説得力があるというのが一番大きいと思います。自社のサービスで試したことをクライアントワークに活かしたり、逆にクライアントから学ぶこともあるんですよね。そこで学んだことを自社サービスに取り入れるとより成長もできるので、ギブアンドテイクみたいな形で、自分たちのサービスを成長させてクライアントにも一緒に成長してもらうっていうのが一番いいなと思っています。

株式会社エニセンス
代表取締役 
熊谷昭彦氏

──ここからは、貴社で求めている人材について伺っていきたいと思います。今回募集しているWebデザイナーさんについて、会社のなかでの位置づけや具体的なお仕事内容を教えてください。
熊谷:クライアントワークも自社コンテンツも両方担当していただきます。両方携わるので、色んな経験ができ、やりがいはあるのかな。使い勝手や操作性を意識してデザインするケースが多いので、クリエイティビティというよりはエンドユーザーがどう感じるのかを考えて、根拠を持ったデザインができることが必要かなと思いますね。ユーザーのことを考えてデザインすることは当たり前であって、クライアントと同じ目的を持って、それを達成するためにどうすればいいかを考えられるデザイナーを求めています。デザイナーがクライアントと直接やりとりしている仕事が圧倒的に多いので、自分の考えや意見をきちんとクライアントへ伝え、よりよいものをつくっていけるような仕事をやりたいと思っている方は大歓迎です。ただ、言われたことだけをやりたいですって言う方はあんまり向かないんじゃないですかね。
 
──そういった意味では、やりたい人は自分の裁量でどんどん取り組める環境だということですよね?
熊谷:そうですね。マネジメントは大事だと思うんですけど、マネジメントすることが一番コストだと思うんです。それぞれが自分たちで自走できれば一番いいと思っているので。ちゃんと目的があるので、それぞれの立場からしっかりと意見を出して、自分のスキルをきちんと提供していくという感じですかね。
 
──最後に、今後目指していきたいこと、エニセンスに入ってくる方たちと一緒にどういう方向に進んでいきたいのかという想いを教えてください。
熊谷:会社として目指している方向性という意味では、100人とか200人、1000人にもなる会社にしようとは思っていません。事業を生み出して成長させたら、それを分社化してまた成長させるということを繰り返しながら、「事業を生み出し続ける会社」でありたいですね。30人から50人くらいでスピーディーに動ける組織群というイメージです。新しい事業を生み出し続けるというのはすごく大変なことなんですけど、自分たちにとっても、世の中にとっても大事なんじゃないかなと思っています。自分がやりたいことをやって、それで社会に貢献できたら一番ハッピーですよね。そんなふうに世の中に関わりながら、やりたいことができる会社になれたらいいなと思います。そのなかで、それぞれの個が高めあって成長していければベストなんじゃないかな。
 
──そういったところを一緒に目指したいという方に来ていただきたいですね。ありがとうございました!


※2017年11月に取材した内容を掲載しています。