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転職で給与交渉はいつ切り出す?タイミングや伝え方を例文付きで解説

転職活動で提示された給与を見て、「もう少し交渉できるのでは」「いつ希望年収を伝えればよいのだろう」と迷う方もいるでしょう。給与交渉では、現年収や経験、実績など希望額の根拠を整理し、切り出すタイミングを見極めることが大切です。

当記事では、転職時に給与交渉を切り出すタイミングや事前準備、具体的な伝え方を例文付きで解説します。年収以外に確認したい条件や、交渉するときの注意点もあわせて紹介します。

1. 転職後の賃金はどう変わっている?

厚生労働省の調査では、転職入職者の賃金が前職と比べて増えた人と減った人の割合が示されています。転職後の給与を考える参考になるデータです。ここでは、2024年の賃金変動と年齢層による違いを解説します。
 

1-1. 転職者の40.5%は前職より賃金が増えている

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、2024年の転職入職者のうち、前職より賃金が増えた人は40.5%でした。内訳を見ると、1割以上増えた人が29.4%、1割未満の増加が11.2%となっています。

前年の2023年は賃金が増えた人が37.2%だったため、2024年は3.3ポイント上昇しました。さらに、1割以上増えた人の割合も前年から3.8ポイント上昇しています。転職後に賃金が上向いた人が4割を超え、その中でも1割以上の増加が多くを占めたことがわかります(※1)。
 

1-2. 賃金が減った転職者も29.4%を占める

転職した人すべてが収入面で好転したわけではありません。2024年に転職した人のうち29.4%は、前職より賃金が減っています。さらに、賃金が1割以上減った人は21.7%を占めています。

一方、前年の2023年と比べると、賃金が減少した人の割合は3.0ポイント低下し、1割以上減少した人も1.7ポイント低下しました。転職後の賃金は増加と減少の両方があるため、提示年収や給与条件を事前に確認した上で判断することが重要です(※1)。
 

1-3. 賃金が増えた割合は年齢層によって分かれる

賃金が増えた割合は、年齢層によって差があります。2024年は20~24歳で50.5%と最も高く、19歳以下は48.8%、25~29歳は46.3%、30~34歳は46.1%でした。若い年齢層では、前職より賃金が増えた人の割合が比較的高い傾向が見られます。

一方、50~54歳は39.0%、55~59歳は27.4%、60~64歳は13.6%、65歳以上は23.7%でした。特に60歳以降では賃金が減った人の割合が増えた人の割合を上回っており、年齢によって転職後の賃金変化に違いがあることがわかります(※1)。

2. 転職のときに給与交渉はいつ切り出す?

転職時の給与交渉は、切り出す時期を選ぶことが重要です。希望額を伝えるタイミングも整理しておきましょう。ここでは、給与交渉を切り出す時期を解説します。

なお、ここでは企業に直接応募する場合の給与交渉について解説します。転職エージェントを利用する場合は、希望年収や現在の給与、希望条件をあらかじめ担当者に伝えておくことで、選考状況を踏まえて適切なタイミングで企業と条件交渉を行ってもらえます。給与について気になることがある場合は、自分で企業に交渉する前に、まずは担当のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
 

2-1. 内定を受けてから内定承諾までの間に切り出す

給与交渉は、企業から内定と給与などの条件が提示された後、内定を承諾する前に切り出すのが一般的です。この段階なら、企業側も選考結果を踏まえて待遇を提示しており、その内容を確認しながら希望を伝えられます。

オファー面談が設定されている場合は、その場で提示額の根拠や給与体系を確認した上で相談すると進めやすいでしょう。面談がない場合は、人事・採用担当者へメールなどで相談する方法があります。希望額だけを伝えるのに加えて、これまでの経験や実績、求人の給与水準など、金額の根拠も添えることがポイントです。提示された条件のどこを調整したいのかまで整理しておくと、相談内容も明確になります。
 

2-2. 面接では企業から聞かれたときに希望額を答える

面接中は、企業側から希望年収を聞かれたタイミングで希望額を答える形が自然です。選考途中で自分から給与交渉を始めるより、質問された際に現在の年収や希望額、その根拠を簡潔に伝えると話を進めやすくなります。

たとえば「現在の年収は450万円で、これまでの経験を踏まえて500万円前後を希望しています」のように具体的に答えます。求人票に給与の幅が示されている場合は、その範囲も確認しておきましょう。希望額を伝えた後に、仕事内容や役割、企業の給与規定も踏まえて相談したい旨を添えると、条件について柔軟に話し合う姿勢も示せます。面接前に現年収と希望額を整理しておくと、聞かれた場合にも落ち着いて答えやすくなります。
 

2-3. 内定を承諾する前に条件を確定させる

給与を含む労働条件は、内定を承諾する前に内容を確認し、納得できる状態にしておくことが重要です。給与額だけでなく、基本給や賞与、各種手当、固定残業代の有無など、年収に関わる項目は漏れなく確認しましょう。

企業側は労働契約の締結時に、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があり、一定の事項は書面等で示すこととされています(※2)。企業から労働条件通知書などが提示されたら、求人票や面接時の説明と照らし合わせ、給与交渉で合意した内容が反映されているかも確認しましょう。疑問点があれば承諾前に採用担当者へ確認し、入社後の認識のずれを防ぐことが大切です。

3. 転職のときに給与交渉をするためには何を用意すればよい?

給与交渉に向けては、現在の年収や求人の相場、自分の実績、希望する金額を事前に整理しておくと話し合いを進めやすくなります。ここでは、給与交渉の前に用意したい4つの情報を解説します。
 

3-1. 賞与と手当を含めて現年収を計算する

給与交渉の前に、まず現在の年収を正確に把握しましょう年収は税金や社会保険料などが差し引かれる前の総支給額を基準に考えます。源泉徴収票や給与明細、賞与明細を確認し、基本給だけでなく、賞与や残業代、各種手当なども含めて内訳を整理しておくことがポイントです

たとえば「基本給が年間360万円、賞与が80万円、各種手当が20万円」のように分けておけば、現年収460万円の構成がわかります。応募先の提示額と比較する際も、年収総額だけでなく内訳まで見比べやすくなるでしょう。
 

3-2. 同職種の求人情報で年収レンジを確認する

希望年収を決める前に、同じ職種や近い仕事内容の求人を複数確認し、どの程度の年収が提示されているか把握しましょう。同じ職種でも、業界や企業、勤務地、求められる経験によって給与水準は変わるため、条件の近い求人を見ることが重要です。

求人票では「想定年収」「給与」「年収例」などを確認し、自分の経験年数や担当範囲に近い募集を比較します。たとえば、同職種の求人が450万~600万円に集中していれば、希望額を考える際の1つの目安になります。1社だけで判断せず複数社を見比べることで、応募先の提示額が市場の水準と比べてどの位置にあるかも把握しやすくなります。
 

3-3. 担当案件の成果を数値で整理する

給与交渉では、希望額の根拠として説明できる実績を整理しておきましょう。担当した仕事を並べるだけでなく、売上や目標達成率、担当顧客数、案件数、改善率など、成果を示せる数字を添えると経験の大きさが伝わりやすくなります。

たとえば、営業職なら「年間売上1億円を担当」「目標を12カ月連続で達成」、マーケティング職なら「問い合わせ数を前年比20%増加」のようにまとめます。数字とあわせて、自分が担った役割や工夫も整理しておくと、その成果にどのように関わったかまで説明できます。応募先で活かせる実績を優先して選ぶことで、希望年収を伝える際の根拠として示しやすくなるでしょう。
 

3-4. 最低ラインと理想ラインを決める

希望年収は、1つの金額だけでなく「最低ライン」と「理想ライン」の2段階で決めておくと、提示された条件を判断しやすくなります。最低ラインは転職時に確保したい金額、理想ラインは経験や市場相場を踏まえて希望する金額として整理します。

たとえば現年収が450万円で、同職種の求人が500万~600万円程度なら、「最低500万円、理想550万円」など、自分なりの基準を設定します。金額を決める際は、現年収や求人の年収レンジ、自分の経験・実績を根拠にすると説明しやすくなります。あらかじめ幅を持たせておけば、企業の給与制度や提示条件を踏まえながら相談を進めやすいでしょう。

4. 転職のときに給与交渉をするときの例文

給与交渉では、伝える場面に合わせて言葉を選び、希望額とその根拠をわかりやすく示すことがポイントです。ここでは、オファー面談・メール・面接で使える給与交渉の例文を紹介します。
 

4-1. オファー面談で口頭で伝える例文

オファー面談で給与の希望を伝える場合は、提示された条件への感謝を示した上で、希望額とその根拠を簡潔に伝えます

条件をご提示いただき、ありがとうございます。給与について1点ご相談があります。現職では年収480万円で、法人営業を5年間経験し、年間約40社を担当してきました。今回の業務でもこれまでの経験を活かせると考えているため、可能であれば年収520万円程度でご検討いただくことは可能でしょうか。

希望額だけを伝えるより、現年収や経験、応募先で活かせる実績を添えると、相談の背景が伝わりやすくなります。企業の給与制度や評価もあるため、提示額の根拠を確認しながら双方で条件をすり合わせる姿勢を意識しましょう。
 

4-2. メールで伝える例文

メールで給与交渉を行う場合は、内定へのお礼を伝えた上で、希望額とその理由を簡潔にまとめます

件名:労働条件についてのご相談(氏名)

株式会社〇〇
採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇です。
このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。
ご提示いただいた給与について、これまでの経験や現年収を踏まえ、年収520万円程度でご検討いただくことは可能でしょうか。
お手数をおかけしますが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

メールでは希望額に加えて、現年収や経験など根拠も添えることがポイントです。入社意欲も伝えながら、相談という形で丁寧に希望額を伝えることが大切です。
 

4-3. 面接で希望額を聞かれたときの例文

面接で希望年収を聞かれた場合は、現年収と希望額を明確にし、その金額を希望する理由まで簡潔に答えます

これまでの経験と募集要項の給与水準を踏まえ、年収520万円程度を希望しております。これまで法人営業を5年間経験し、既存顧客への提案や新規開拓を担当してきました。現在の年収は480万円ですが、これまでの経験を活かして貴社に貢献ができると考えております。ただし、具体的な金額については、担当する業務や役割、御社の規定も踏まえてご相談できればと考えています。

企業側は希望額が自社の給与水準と合うかを確認する目的で質問することがあります。金額だけで終わらせず、経験やスキルとの関係を示すと希望の根拠が伝わります。事前に現年収と希望年収を整理しておくと、面接でも落ち着いて答えやすくなるでしょう。

5. 年収以外に相談できる条件は?

年収以外にも、賞与や固定残業代、試用期間中の給与は、入社後の収入に関わる条件です。内容を把握しておくと比較しやすくなります。ここでは、確認・相談したい3つの条件を解説します。
 

5-1. 賞与の支給時期と金額の算定方法

賞与がある企業では、支給時期や算定方法を確認しておくと、入社後に受け取れる金額や時期を見通しやすくなります。賞与は、勤務成績などに応じて支給され、あらかじめ支給額が確定していないものとして扱われることがあります。

内定後は、「賞与は年に何回、いつ支給されますか」「算定には基本給や評価がどのように関わりますか」と確認するとよいでしょう。企業によっては、初年度の賞与は入社時期に応じて按分される場合もあります。支給対象となる条件や算定期間まで確認すると、年収の見込みを立てやすくなります
 

5-2. 固定残業代に含まれる時間数

固定残業代が設定されている場合は、何時間分の時間外労働に相当するのかを確認しましょう。月給の中に固定残業代が含まれていると、基本給との内訳によって給与水準の見え方が変わります。

たとえば「月給35万円(固定残業代30時間分を含む)」という条件なら、30時間分に当たる金額や、実際の残業時間との関係を確認します。求人票や労働条件通知書などで基本給と固定残業代の内訳まで把握しておくと、他社の給与条件と比較する際の判断材料になります。月給の総額と内訳をセットで見ることがポイントです。
 

5-3. 試用期間中の給与水準

試用期間が設けられている場合は、その期間中の給与が本採用後と同じ水準かを確認しましょう。企業によっては、試用期間中のみ基本給や手当の扱いが異なることがあるため、入社前に条件を把握しておくことが大切です。

求人票や労働条件通知書などを見て、試用期間の長さ、基本給、各種手当などを確認します。たとえば「試用期間3カ月は月給28万円、本採用後は月給30万円」といった違いがあれば、期間中の収入にも影響します。初年度の年収を考える際は、試用期間中の条件も含めて確認しましょう。

6. 給与交渉で気をつけることは?

給与交渉では、現年収や希望額を正確に伝え、提示された条件を落ち着いて確認することが重要です。ここでは、給与交渉で気をつけたい3つのポイントを解説します。
 

6-1. 源泉徴収票の金額通りに現年収を伝える

現年収を伝える際は、源泉徴収票の「支払金額」を基準に、実際の金額と一致するようにしましょう。源泉徴収票の支払金額は、給与や賞与など、その年に支払われた給与収入を確認する際の基準になります。

たとえば前年の源泉徴収票に「支払金額480万円」と記載されている場合は、前年年収を480万円として伝えます。現在の給与が昇給などで変わっている場合は、「前年の源泉徴収票では480万円ですが、現在の月給を基にすると今年は500万円程度の見込みです」のように分けて説明するとわかりやすいでしょう。手取り額や概算で答えるより、確認できる金額を基に伝えることで、企業側との認識をそろえやすくなります
 

6-2. 希望額を具体的な金額と根拠で示す

希望年収を伝える際は、「できれば高めに」といった表現より、具体的な金額とその根拠をセットで示しましょう。現年収や同職種の求人相場、これまでの経験・実績などを整理しておくと、希望額を説明しやすくなります。

たとえば「現在の年収は480万円です。法人営業を5年間経験し、年間40社ほどを担当してきたため、年収520万円程度を希望しています」のように伝えます。希望額に幅を持たせる場合も、「500万~550万円を希望しています」と具体的に示すと条件をすり合わせやすくなります。応募先で担う役割や給与制度も踏まえて相談する姿勢を添えることで、一方的な要求ではなく、条件について話し合う意図を伝えやすくなります
 

6-3. 提示額に迷うときは回答を持ち帰る

企業から給与額を提示され、その場で判断に迷った場合は、回答期限を確認した上で一度持ち帰って検討する方法があります。年収だけでなく、基本給や賞与、手当、固定残業代などを含めて比較すると、入社後の収入を具体的に判断できます。

たとえば「ご提示いただきありがとうございます。条件全体を確認した上で判断したいため、〇日までお時間をいただくことは可能でしょうか」と伝えます。持ち帰った後は、現在の給与や希望条件と照らし合わせ、納得できる条件かを整理しましょう。他社の選考結果を待つ事情などがある場合も、企業が示した回答期限を確認し、必要な期間を相談することがポイントです

まとめ

転職時の給与交渉は、企業から給与などの条件が提示された後、内定を承諾する前に行うのが一般的です。面接で希望年収を聞かれた場合は、現年収や希望額、その根拠を具体的に伝えましょう。

交渉に向けては、現在の年収を正確に把握した上で、同職種の年収レンジや自分の実績を整理し、最低ラインと理想ラインを決めておくと条件を検討しやすくなります。また、提示された年収に加えて、賞与や固定残業代、試用期間中の給与なども確認することがポイントです。提示額に迷った場合は回答期限を確認し、条件全体を整理してから判断しましょう。

給与について企業へ直接交渉することに不安がある方は、マスメディアンの転職支援サービスをぜひご活用ください。キャリアコンサルタントが、入社日や給与などの条件面について企業との調整・交渉を代行するため、希望条件を相談しながら転職活動を進められます。

※1:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/kekka_gaiyo-03.pdf)
※2:厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_4.html)

執筆・編集

マスメディアン編集部
マーケティング・クリエイティブ領域に特化した転職支援サービス「マスメディアン」の編集チームです。業界・職種に精通したキャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーへの取材、企業の採用情報、公的機関や各種調査データなど、信頼できる情報をもとに記事を制作・監修しています。求職者が正しい情報をもとに納得のいくキャリア選択ができるよう、正確性・客観性・実用性を重視したコンテンツをお届けします。(厚生労働大臣許可番号:人材紹介 13-ユ-040475)

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