販売・マーケティング業務における生成AI活用の実態調査

(2026年08月05日掲載)
販促・マーケティングの現場では、生成AIはどのような業務に使われているのでしょうか。
マスメディアンは、2026年7月23日に開催された『販促会議サミット2026』の参加者を対象に、生成AIの業務活用に関する調査を実施しました。
回答者33人のうち、生成AIを「毎日」または「週数回」利用している人は87.9%に上りました。活用用途は文章作成だけでなく、アイデア出しや企画の壁打ち、情報の要約・整理、情報収集などに広がっています。
今後重要性が高まるスキルとしては、「AI活用力」そのものを上回って、「課題発見・改善力」「データ分析・活用力」「顧客体験(CX)設計」が上位に挙がりました。
調査結果のポイント
• 回答者の87.9%が、生成AIを週1回以上利用
• 最も多い用途は「アイデア出し・企画の壁打ち」
• 生成AIによる変化は「作業時間」と「企画・発想」が同率1位
• 今後重要になるスキルの1位は「課題発見・改善力」
• 自由回答では、データ活用や部門連携に関する課題も挙がった
回答者の属性
業種
まず、今回の回答者の属性を見ていきます。業種では、「食品・飲料」が24.2%で最も多く、「流通・小売」が21.2%、「広告会社」が18.2%と続きました。
【グラフ1】
Q1. 貴社の業種を教えてください
※単一回答※n=33
職種
職種では、「マーケティング」が39.4%で最も多く、「営業・営業企画」が30.3%、「販売促進」が15.2%でした。【グラフ2】
Q2. ご自身の現在の職種を教えてください

※単一回答
※n=33
役職
役職では、「一般・担当者クラス」が60.6%と最も多く、「主任・係長クラス」が24.2%でした。【グラフ3】
Q3. ご自身の役職を教えてください

※単一回答
※n=33
生成AIの利用頻度と活用業務
回答者の87.9%が週1回以上利用
今回の回答者のうち、生成AIを業務で「毎日」利用している人は22人で、全回答者33人の66.7%を占めました。「週数回」と回答した人は7人、21.2%です。両者を合わせると29人となり、回答者の87.9%が生成AIを週1回以上利用していることになります。
一方、「月数回」は6.1%、「試しただけ」と「利用していない」は、それぞれ3.0%でした。
今回の調査では、生成AIを継続的に業務利用している人が多いことがわかります。なかでも、毎日利用している回答者が3人に2人を占めました。
【グラフ4】
Q4. AIを業務で利用していますか?

※単一回答
※n=33
最多用途は「アイデア出し・企画の壁打ち」
生成AIを利用している32人に、どのような業務で活用しているかを複数回答で尋ねました。
最も多かったのは、「アイデア出し・企画の壁打ち」の87.5%でした。
次いで、「情報の要約・整理」が78.1%、「コピー・文章作成」が68.8%、「情報収集・市場調査」が59.4%となりました。
上位4項目は、次の通りです。
1. アイデア出し・企画の壁打ち:87.5%
2. 情報の要約・整理:78.1%
3. コピー・文章作成:68.8%
4. 情報収集・市場調査:59.4%
生成AIの利用というと、コピーやメールなどの文章作成をイメージしやすいかもしれません。しかし、今回の調査で最も多かったのは、「アイデア出し・企画の壁打ち」でした。成果物の作成だけでなく、企画を検討する過程でも生成AIが利用されていることがうかがえます。【グラフ5】
Q5. AIはどの業務で活用していますか? 当てはまるものをすべて選択してください
※複数回答
※n=32(Q4で「利用していない」と回答した1人を除く)
※総選択数:185
※平均選択数:185÷32=5.78項目
※複数回答※n=32(Q4で「利用していない」と回答した1人を除く)
※総選択数:185
※平均選択数:185÷32=5.78項目
生成AIの活用で仕事はどう変わったか
続いて、生成AIの活用によって、仕事の中で最も変わったと感じることを尋ねました。
「制作・作業にかかる時間」と「アイデア・企画の発想」が、それぞれ25.0%で同率1位となりました。
次いで、「情報収集・リサーチ」が21.9%、「データ分析・集計」が15.6%、「資料・レポート作成」が9.4%でした。
生成AIによる変化は、制作や集計といった作業時間に関する項目だけではありません。企画・発想や情報収集など、制作・集計以外の項目も上位に挙がりました。
ただし、この設問では「変わったこと」を尋ねており、変化の方向までは確認していません。そのため、回答結果だけから「作業時間が短縮した」と断定することはできません。
【グラフ6】
Q6. AIの活用によって、仕事の中で最も変わったことは何ですか?(1つ選択)
※単一回答
※n=32(Q4で「利用していない」と回答した1人を除く)
販促担当者に今後求められるスキル
今後3年間で、販売促進担当者にとって重要性が高まると思う知識・スキルについて、最大3項目まで選んでもらいました。
最も多かったのは、「課題発見・改善力」の42.4%でした。
次いで、「データ分析・活用力」が39.4%、「顧客体験(CX)設計」が36.4%、「マーケティング戦略」が27.3%となりました。
上位3項目は、次の通りです。
1. 課題発見・改善力:42.4%
2. データ分析・活用力:39.4%
3. 顧客体験(CX)設計:36.4%
「AI活用力」は24.2%で、「社内外を巻き込む力」「顧客理解・インサイト発見」と同率でした。
今回の調査では、「AI活用力」よりも、「課題発見・改善力」「データ分析・活用力」「顧客体験(CX)設計」を選んだ回答者が多くなりました。
ここからは、調査結果を踏まえた考察です。生成AIを活用するうえでも、重要なのはAIを操作することだけではありません。「どの課題を解決するのか」「どのデータを活用するのか」「顧客にどのような体験や価値を提供するのか」を定める力が、より重要になると考えられます。
なお、この結果は回答者の予測や認識を集計したものであり、将来のスキル需要を客観的に示すものではありません。
【グラフ7】
Q7. 今後3年で、販売促進担当者にとって重要性が高まると思う知識・スキルは何だと思いますか? (最大3つまで選択)

※複数回答
※n=33
※生データ上の総選択数:98件
※有効選択数:97件※意味を特定できない回答「な」1件を除外
※有効選択数の平均:97÷33=2.94項目
※本設問は最大3項目までとしていましたが、5項目を選択した回答が1件ありました。本記事では、事後的に選択項目を絞り込めないため、選択された5項目をすべて集計しました。

※複数回答
※n=33
※生データ上の総選択数:98件
※有効選択数:97件※意味を特定できない回答「な」1件を除外
※有効選択数の平均:97÷33=2.94項目
※本設問は最大3項目までとしていましたが、5項目を選択した回答が1件ありました。本記事では、事後的に選択項目を絞り込めないため、選択された5項目をすべて集計しました。
自由回答から見えた課題と変化
データ活用と部門連携の課題
現在、販売促進の仕事で感じている課題や難しさについて、自由回答で尋ねました。自由回答では、データや情報基盤の整備・活用に関する課題が2件、社内理解や部門連携に関する課題が2件挙げられました。生成AIの活用だけでは解決しにくい、組織や業務基盤に関わる課題を抱えているケースがあることがうかがえます。ただし、それぞれ少数の自由回答であり、生成AIの利用と業務効率・組織課題との因果関係を示すものではありません。
ここからは、自由回答を踏まえた考察です。販促業務では、商品企画、営業、マーケティング、経営層など、複数の部門や関係者との連携が求められます。そのため、生成AIを個人の業務で活用するだけでは、部門間の認識のずれや、データ・情報基盤の分断といった組織的な課題までは解消されない可能性があります。
Q8. 現在、販売促進の仕事で課題や難しさを感じていることがあれば、具体的に教えてください。
【実際の回答内容】※自由回答
「データの繋がりが悪い」
「情報が細切れになり、社内資産を活用しきれない。販促効果の検証がしきれない」
「関連部署との連携、企画〜集客〜販促の目線合わせ」
「主たる事業を担っている上層部への理解」
※n=4
※1回答につき主題1分類
※編集部が各回答の主な論点を1つ選び、分類しました
※自由回答は回答者個人の意見であり、全体傾向を示しておりません
この5年間で感じた販促業務の変化
続いて、生成AIに限定せず、この5年間で販売促進の仕事が変わったと感じた出来事について、自由回答で尋ねました。一つ目の回答では、レポーティングの負担が軽減され、別の業務に時間を使えるようになったと述べられています。
二つ目の回答からは、自ら作業する立場から、生成AIに指示を出す立場へ変わったという実感が読み取れます。
このほか、「各事業者は特定領域に特化することが求められている」「上位メーカー以外は入り込みにくい」といった、業務の専門化や市場環境に関する声もありました。
ただし、有効回答数は4人です。これらは個人の経験や認識であり、回答者全体の傾向を示すものではありません。
Q9. この5年間で「販売促進の仕事が変わった」と実感した出来事やエピソードがあれば教えてください。(任意)
【自由回答から読み取れる声】
・効果測定・レポーティング:1件
・生成AIによる役割変化:1件
・専門化・特化:1件
・市場参入の難しさ:1件
【実際の回答内容】※自由回答
「効果測定などのレポーティング。これが圧倒的に楽になった事で、行動に時間を使えるようになった」
「作業者からAIに対するディレクターになった」
「横に深く、かつ縦に深くに深化していて、各事業者は特定領域に特化することが求められていると思う。」
「なかなか上位メーカー以外入りこみにくい」
※n=4
※1回答につき主題1分類
※複数分類はしていません
※自由回答は回答者個人の意見であり、全体傾向を示しておりません
調査結果から見える生成AI活用の現在地
今回の調査では、回答者の約9割が生成AIを週1回以上利用していました。利用用途は、コピーや文章の作成にとどまらず、アイデア出し、企画の壁打ち、情報整理、市場調査、データ分析、資料作成など、成果物の作成から発想・分析の補助まで幅広く広がっています。
こうした活用が進む一方で、今後重要性が高まるスキルとして上位に挙がったのは、「課題発見・改善力」「データ分析・活用力」「顧客体験(CX)設計」の3つでした。今回の回答者の間で生成AIが日常的なツールとなりつつある中、回答者は、生成AIを使いこなす力に加えて、課題を見極め、データを読み解き、顧客に提供する価値を設計する力が重要になると認識していることがうかがえます。
自由回答では、データの分断や部門間の連携といった課題を挙げた回答者もいました(有効回答4件)。件数は少なく、回答者個人の意見にとどまります。ここからは考察として述べると、こうした課題は生成AIの活用有無にかかわらず存在するものであり、データ基盤や業務プロセス、部門間連携を含め、組織全体の課題として捉える必要があるでしょう。
調査概要
・調査名:生成AI活用実態調査(販促・マーケティング業務)・調査主体:マスメディアン
・調査対象:『販促会議サミット2026』参加者
・調査期間:2026年7月23日~24日
・調査方法:Webアンケート
・有効回答数:33人
・集計対象:原則として全回答者33人。Q5・Q6は、「利用していない」と回答した1人を除く32人を集計対象としました
・回答形式:単一回答、複数回答、自由回答
・集計方法:割合は回答者数を母数として算出。複数回答は回答率を表示
・自由回答:Q8、Q9の有効回答数はそれぞれ4人
・注記:構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
本調査は、2026年7月23日に開催された『販促会議サミット2026』において、株式会社マスメディアン取締役の荒川直哉による講演「『買われる理由』をつくる人材に求められる力 ―生成AI時代、成果を出す人は、何が違うのか―」の受講者を対象に実施しました。生成AIへの関心が比較的高い層が回答している可能性があります。本調査の結果は業界全体の傾向を示すものではなく、限定的な回答者層から得られた実感として捉える必要があります。
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