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転職に使えるポートフォリオのつくり方は?質を高める方法も解説

ポートフォリオは、作品の完成度に加え、制作の考え方や担当範囲、応募先で生かせる強みを伝えるための資料です。制作目的や課題、工夫した点、成果を作品ごとに整理すると、採用担当者が入社後の活躍を具体的にイメージしやすくなります。また、応募先の業務に近い作品を選び、全体の構成や説明方法をそろえることで、実務への理解や情報整理の力も示せます。

当記事では、転職でポートフォリオが必要な職種、選考で評価されるポイント、具体的なつくり方、品質を高める方法を解説します。

1. 転職でポートフォリオが必要なのはどのような職種?

ポートフォリオは、作品や制作実績を通じて能力を評価する職種ほど重要になります。ここでは、提出がほぼ必須の職種と、用意すると有利な職種を分けて解説します。
 

1-1. 提出がほぼ必須の職種

作品そのものが評価対象となる職種では、ポートフォリオの提出がほぼ必須です。ポートフォリオを提出すると、表現力や技術、担当範囲を具体的に示せます。
 
職種 主な制作物 提出目的
Webデザイナー Webサイト、LP、バナー 画面設計や配色、情報整理の力を示す
グラフィックデザイナー ロゴ、ポスター、チラシ 印刷物の構成力や表現の幅を示す
UI・UXデザイナー アプリ画面、ワイヤーフレーム 利用者の課題を踏まえた設計過程を示す
映像・動画クリエイター 広告動画、編集作品 構成、編集、演出の技術を示す
イラストレーター イラスト、キャラクター 画風や対応できるテイストを示す

各作品には制作目的、担当範囲、使用ツールも添えましょう。完成品だけでなく、自分が担った役割を示すことが大切です。作品数が多い場合は、応募職種との関連が高いものを優先し、見やすい順序で掲載してください。
 

1-2. 必須ではないが用意すると有利な職種

提出が必須でない職種でも、企画書や記事、分析資料などを見せると、実績や考え方を具体的に伝えられます。特に制作・企画に近い仕事では有効です。
 
職種 主な制作物 提出目的
広告・販促企画 企画書、キャンペーン案 企画の狙いや施策を組み立てる力を示す
マーケティング 分析資料、改善レポート データから課題を見つける力を示す
Webディレクター サイト構成案、進行資料 設計力や関係者をまとめる力を示す
ライター・編集者 記事、取材原稿、編集実績 文章力や企画意図をくみ取る力を示す
広報・SNS運用 プレスリリース、SNS投稿事例、運用レポート 発信内容の工夫や反応に応じて改善する力を示す

応募先と関係のある実績に絞り、社外秘や顧客情報を除いた内容を掲載します。実績に加えて、目的や自分の役割、工夫、結果を添えると、仕事の進め方を伝えます。守秘義務のある案件は情報を一般化して説明するか、アピールしたい力を示せる自主制作で補いましょう。閲覧しやすいPDFやWebページにまとめることも大切です。

2. 選考で採用担当者はポートフォリオのどこを評価する?

採用担当者は、作品の見た目だけでなく、実務レベルや考え方、募集職種との相性などを確認しています。ここでは、ポートフォリオで主に評価される3つのポイントを解説します。
 

2-1. 即戦力として通用するレベルに達しているか

作品を見る際は、募集ポジションの業務を任せられる水準に達しているかが確認されます。たとえば、デザイン業務においては、見た目の美しさだけでなく、目的に沿った設計や、細部まで整える力も評価の対象です。
 
評価項目 主なチェックポイント
基礎的な完成度 ・文字は読みやすいか
・余白や配置に不自然な点はないか
・画像処理や切り抜きは丁寧か
・配色に違和感がないか
応募職種との関連性 ・募集業務に近い制作物があるか
・媒体や分野と合っているか
・任せられる業務の範囲がわかるか
使用技術 ・使用ツールが明記されているか
・必要な制作手法を扱えているか
・技術を作品の目的に生かせているか
実務への配慮 ・媒体の仕様や制約を守っているか
・ブランドの方針を反映できているか
・納期や修正を想定した制作になっているか
作品の説明 ・制作目的がわかるか
・自分の担当範囲が明確か
・工夫した点や成果が示されているか

求められる水準は、企業や採用区分によって異なります。幅広い作品を並べるより、応募先の案件に近いものを選び、対応できる業務を明確に示すほうが効果的です。自主制作でも、想定する対象者や依頼条件を設定しておくと、実務を想定した制作力を伝えられます。
 

2-2. 課題の解決プロセスが明確か

作品の完成度だけでなく、課題をどのように捉え、解決策を選び、結果を検証したかも評価されます。たとえばUI/UXデザイナーの場合、制作の流れを次のように整理すると、判断の根拠が伝わりやすくなります。
 
工程 記載する内容 具体的な記載例
課題 誰のどのような問題を解決する制作だったか 20代からの問い合わせが少なく、スマートフォンでの離脱率も高かった
検討 対象者、競合、媒体、制約条件をどう整理したか 競合サイトとアクセスデータを確認し、情報量の多さと導線のわかりにくさを課題と判断した
制作 課題に対して、構成や表現をどう工夫したか 情報を整理し、問い合わせボタンを目立つ位置へ配置した
検証 公開後の反応や指摘を受け、何を改善したか 公開後に離脱率と問い合わせ数を確認し、ボタンの文言を再調整した

「若年層向けに見やすいデザインへ変更しました」という説明に、課題や判断理由、自分の役割を加えましょう。数値の公開に制約がある場合も、「社内から導線がわかりやすくなったとの評価を得た」など、記載できる範囲で結果を添えましょう。
 

2-3. 自社の案件・チームに合った経験・実績か

採用担当者は作品の質だけでなく、応募者の経験が自社の案件や制作体制に合っているかも確認します。扱った媒体や顧客層、チーム内での役割を示すと、入社後にどのような業務を任せられるか判断してもらいやすくなります。クリエイティブ職の場合は、下記のような形です。
 
評価項目 主なチェックポイント
制作領域 ・Web、紙、動画など募集業務に近い経験があるか
・応募先が扱う媒体に対応できるか
表現の幅 ・応募先や顧客が求めるテイストに近い作品があるか
・異なる業界や対象者に合わせて表現を変えられるか
担当範囲 ・企画、デザイン、撮影、実装など担当した工程がわかるか
・他職種との連携経験が示されているか
案件規模 ・制作期間やチーム人数が明記されているか
・複数人で進める案件での役割がわかるか
成果 ・制作目的に対してどのような結果が出たか
・チーム全体の成果と自分の貢献が区別されているか

異なる業界での経験も、対象者や課題、制作方法が近い作品を選ぶことで応用力を示せます。応募先の制作実績と関連性の高い作品を前半へ配置しましょう。共同制作では、チーム全体のなかで自身が担当した範囲を示すことが大切です。

3. 転職希望者がポートフォリオをつくるときのポイント

転職用のポートフォリオでは、作品の仕上がりに加え自分の役割や制作意図、成果を具体的に示す必要があります。ここでは、実務経験をわかりやすく伝える3つのポイントを解説します。
 

3-1. 作品ごとに自分の担当範囲を明記する

ポートフォリオには、作品ごとに自分が担当した工程を明記します。企画から制作まで一貫して携わったのか、チーム内で一部の工程を担ったのかがわかると、採用担当者にとって、転職希望者が対応できる業務の範囲や、チーム内で果たした役割を把握しやすくなります。
 
記載項目 記載例
チーム構成 ディレクター1名、デザイナー2名、エンジニア2名
自分の担当 ワイヤーフレーム作成、画面デザイン、画像選定
担当外の工程 企画、コピー作成、コーディング
制作期間 20XX年4月~6月
使用ツール Figma、Photoshop

「デザインを担当」という説明に加え、トップページ、下層ページ、バナーなど、実際に手を動かした範囲を具体的に示しましょう。進行管理や他職種との調整も担った場合は、その役割も記載できます。
 

3-2. 課題と解決策を添える

課題と解決策は、作品画像の近くに2~4文程度で簡潔にまとめます。「どのような課題があり、何を工夫したのか」を一続きで書くと、制作の狙いが明確になり、短時間で把握してもらえます。詳細な分析や検討過程は代表作品に絞り、他の作品は要点を簡潔に示すと、1作品あたりの説明を適切な長さにまとめます。
 
記載項目 記載例
対象者 複数の商品を比較したい利用者
課題 情報量が多く、商品の違いを把握しにくい
解決策 特徴を3項目に整理し、比較表として掲載
制約・工夫 ブランドカラーを保ちつつ、重要な情報を目立たせた
 

実際の記載例
商品情報が多く、利用者が各商品の違いを把握しにくい点が課題でした。そこで、主要な特徴を3項目に整理し、同じ画面内で確認できる比較表を設置しました。既存のブランドカラーを使いながら、重要な情報が目に入りやすい文字サイズと配置に整えています。

 

3-3. 反応数やコンバージョン率などの定量的な成果を伝える

Webデザインやアプリなどの公開後の数値を確認できる作品では、反応数やコンバージョン率などの成果も記載します。制作目的に対してどのような変化があったかを示すと、作品の見栄えだけでなく、業務への貢献まで伝えられます。
 
目的 指標・記載例
認知を広げる SNS投稿の表示回数が前月比20%増加
関心を高める バナーのクリック率が1.2%から1.8%へ改善
購入を促す 商品ページのコンバージョン率が0.5ポイント上昇
問い合わせを増やす フォーム経由の問い合わせが月15件から22件へ増加

数値には、比較期間、改善前後での変化、自分が担当した施策を添えます。数値の変化には複数の要因が関係しますが、「バナー改善後にクリック率が上昇した」のように、確認できる事実を記載しましょう。社外秘で数値の公開に制約がある場合は、「問い合わせ数が改善」「社内提案に採用」など、許可された範囲の定性的な成果や関係者の評価で補います。

4. ポートフォリオの品質を高める方法

ポートフォリオの品質は、応募先に合う内容へ整理することで高まります。ここでは、作品の選び方、全体の統一、実績の更新方法を解説します。
 

4-1. 掲載する作品を厳選する

掲載作品は、応募先の業務との関連性と、自分の強みが伝わるかを基準に厳選します。代表作を前半に置き、その後に異なる媒体や担当工程の作品を続けると、実務経験の幅を示しやすくなります。似た作品を多く並べるより、目的や工夫が異なるものを選ぶほうが、採用担当者も特徴を把握しやすくなります。

作品を選ぶ際は、担当範囲や制作目的を説明できるか、現在の技術を反映しているかも確認しましょう。制作してから間が空き、今の実力との差が大きい作品や、自分の役割が曖昧な共同制作は、説明を補うか掲載を見直します。掲載数は、各作品の説明を含めて読みやすい量に整えることが大切です。また、完成度が高くても応募職種との関連が薄い場合は、補足的な位置に置くと全体の意図が明確になります。選定理由を一言添える方法も有効です。
 

4-2. 全体のトーンや構成に一貫性を持たせる

ポートフォリオ全体のトーンや構成をそろえると、作品情報を追いやすくなり、整理力も伝わります。作品ごとの個性は保ちつつ、見出しや説明の順序、余白などにルールを設けましょう。統一したい主な項目は、次の通りです。

・見出しと本文の書体、文字サイズ
・背景色やアクセントカラー
・作品名、目的、担当範囲、成果の記載順
・画像の比率、余白、キャプションの位置
・ページ番号や表記方法

すべてを同じ見た目にするのではなく、読者が迷わず情報を追える状態を目指しましょう。掲載作品のテイストが異なる場合も、説明欄の型をそろえることで、全体としてまとまりのある印象を保てます。PDFとWeb版の両方で表示も確認してください。表紙から末尾まで通して確認すると、ページごとの違和感を見つけやすくなります。
 

4-3. 最新の実績へ更新する

定期的に内容を見直し、最新の実績と応募先に合う作品を反映しましょう。新しい案件を追加するだけでなく、作品の並び順や説明の重点を調整すると、企業との関連性を伝えやすくなります。提出前は、次の項目を確認しましょう。

・最新の作品や担当案件を追加したか
・応募先に近い実績を前半へ移したか
・担当範囲、使用ツール、成果を更新したか
・公開URLやQRコードが正しく開くか
・公開できない情報が含まれていないか
・誤字や古いプロフィールが残っていないか

5. 実務経験が少ない転職者がポートフォリオをつくるコツ

実務経験の期間が短い場合も、担当した業務や制作過程を具体的に示すことで、実務への理解や今後の活躍を伝えられます。ここでは、限られた経験の中から強みを示す3つのコツを解説します。
 

5-1. 担当した実務作品を詳しく紹介する

実務経験の期間が短い場合は、担当した作品について、制作目的や自分の役割を詳しく記載しましょう。作品数よりも、どのような条件で制作し、どの工程を担当したかを明確にすることが重要です。

たとえば、Webサイトの一部を担当した場合は、担当ページ、制作目的、対象者、使用ツール、制作期間を整理します。上司やディレクターから受けた指示に対して、自分がどのように考えて制作したかも添えると、実務での対応力が伝わります。

実務作品が少ない場合は、自主制作も補足として掲載し、実務で得た知識をどのように反映したかを示すと、対応できる業務の範囲を伝えやすくなります。
 

5-2. 異職種の経験を制作に活かせると示す

応募職種とは異なる職種での実務経験がある場合、その職種で培った知識や仕事の進め方を制作へ結び付けると、経験期間の短さを補える強みが伝わります。顧客対応、情報整理、企画提案、進行管理などの経験も、制作業務に生かせます。

たとえば、顧客との打ち合わせ経験がある人は、要望を整理して提案へ反映した事例を紹介できます。資料作成やコンテンツ制作を担当していた人は、情報の優先順位を整理し、読みやすい構成へ整えた経験を説明できるでしょう。
 

5-3. 成長意欲が伝わるプロセスを示す

業務を通じて身に付けたスキルと、指摘や検証を受けて作品を改善した過程を示すことも有効です。初稿と完成版を並べ、変更した理由を添えると、実務の中で成長した経緯が伝わります。

たとえば、ディレクターから「情報の優先順位がわかりにくい」と指摘を受けた場合は、見出しの大きさや配置を変更し、視線の流れを整えた過程を示します。制作日、修正内容、参考にした資料、業務を通じて身に付けた技術を簡潔にまとめるとよいでしょう。

実務で学んだ内容を、その後、どのように活用したかまで示せると、今後の成長性も伝わります。改善前後の画像や試作案を掲載する場合は、完成版を中心に配置し、制作過程は補足として整理しましょう。

まとめ

ポートフォリオは、作品の完成度だけでなく、担当範囲や課題への向き合い方、制作によって得られた成果を採用担当者へ伝える資料です。応募先の業務に近い作品を厳選し、制作目的、使用ツール、チーム内での役割、工夫した点をわかりやすく整理しましょう。

作品には、課題と解決策を簡潔に添え、公開できる範囲で反応数やコンバージョン率などの成果も示します。全体の書体や配色、説明の順序をそろえ、応募のたびに掲載作品やリンクを更新することも大切です。実務経験の期間が短い場合は、担当した作品や工程を詳しく示し、業務で身に付けたスキルや改善した過程を伝えましょう。現在の技術と応募先との相性が伝わるポートフォリオに仕上げ、転職活動に役立ててください。

マスメディアンでは、ポートフォリオの作成や見せ方に関する相談にも対応しています。掲載する作品の選び方や応募企業に合わせた整理方法に迷う場合は、転職支援サービスを活用し、現在の技術や経験が伝わる内容へブラッシュアップしましょう。

執筆・編集

マスメディアン編集部
マーケティング・クリエイティブ領域に特化した転職支援サービス「マスメディアン」の編集チームです。業界・職種に精通したキャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーへの取材、企業の採用情報、公的機関や各種調査データなど、信頼できる情報をもとに記事を制作・監修しています。求職者が正しい情報をもとに納得のいくキャリア選択ができるよう、正確性・客観性・実用性を重視したコンテンツをお届けします。

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