面接官に響く「プレゼン面接」完全攻略ガイド|評価ポイント・資料のつくり方・成功のコツを解説
(2025年06月24日掲載)
転職活動において「面接」は避けて通れない選考ステップですが、近年、中途採用の選考に導入されている「プレゼン面接」をご存じでしょうか。
近年では特に、広告・クリエイティブ・マーケティング・Webなどの専門職種において、プレゼン面接を導入する企業が増えています。これは単なる質疑応答ではなく、「応募者の提案力や実務感覚を見たい」という企業側の意図によるものです。
そこで本記事では、中途採用における「プレゼン面接の評価ポイント・資料のつくり方・成功のコツ」などを解説。クリエイティブ・マーケティング職種に特化した転職エージェントであるマスメディアンが、オンライン形式への対応も含めた、転職支援の現場で得たプレゼン面接の事例や知見をご紹介します。プレゼン面接の目的とポイントをつかんで、面接を突破しましょう。
プレゼン面接とは? 実施される職種とその背景
■プレゼン面接の定義と狙い
プレゼン面接とは、事前に提示される課題に対して発表資料を用意し、面接当日に数分のプレゼンテーションと質疑応答を行う選考形式のことを指します。課題テーマは、企業や製品のプロモーション、自己PRなど多岐にわたり、主に実務スキルを測るための選考手法として活用されています。学生時代の就職活動で、自己紹介をテーマにプレゼン面接を行った経験がある方も多いかもしれませんが、中途採用の場合は、特に「経験・スキルをもとに、課題にどう提案し、どう成果を出せるか」という点が評価軸になります。
そのため、経験豊富な方よりも、営業からプランナーへのキャリアチェンジなど、応募職種に対して経験が浅い方に行われることが多いようです。見方を変えれば、プレゼン面接で実力を発揮することで、経験を問わず内定に一気に近づくチャンスとも言えるでしょう。
■実施されやすい職種と事例紹介
ここで、実際に行われたプレゼン面接の具体事例を3つご紹介します。どの事例も、応募職種に合わせた課題設定がされており、評価ポイントも異なります。(1)総合広告会社/プランナー職 |
課題:小売業者の販促キャンペーン施策 実在のクライアントに対して、過去の施策資料を参考に、新たな販促企画を立案してください。 評価ポイント:斬新かつ実現性のある施策を打ち出せる「企画力」 |
(2)Webサービス運営会社/企画広報職 |
課題:オフラインイベントの企画提案 前回イベントのレポート資料をもとに、サービス利用促進のための次回イベントを企画し提案してください。 評価ポイント:ロジカルに企画内容を説明し、相手を納得させる「プレゼン力」 |
(3)グラフィック制作会社/デザイナー職 |
課題:「自己紹介を兼ねた制作物の紹介」 サイズ・枚数など形式自由の資料で、制作物による自己紹介をしてください。 評価ポイント:デザイン力と、限られた期間内にアウトプットを完成させる「スピード感」 |
このように、企業が出題するテーマは実際の業務に近い内容となっており、現場で求められるスキルと判断力を確認する機会として設定されています。
プレゼン面接で評価される4つのポイント
企業がプレゼン面接を導入する目的は、「即戦力としてどれほどフィットする人材か」を見極めるためです。主要な評価ポイントは以下の4つです。
(1)企画力
課題に対する適切な理解と、自社にとって価値あるアイデアを提示できているか。斬新さと実現性のバランスが問われる。(2)資料作成力
プレゼン相手のことを考え、テーマに沿った構成や視覚性を持ち、情報整理をされた資料になっているか。使用する図表やフォントの選択にも配慮ができると良い。(3)プレゼン力
企画内容の魅力が感じられ、ビジネスパーソンとしての信頼感のある伝え方ができているか。限られた時間で伝え切る力、話すスピードや抑揚のつけ方・表情、身振り手振りなども含まれる。(4)熱意・志望度
プレゼンの様子や資料から、自社への熱意が伝わってくるか。事前準備が多く、時間的な負担も大きいプレゼン面接は、準備にかけた熱量がそのまま志望度の高さとして企業へ伝わりやすい。プレゼン面接を成功に導く5つの準備
プレゼン面接では、「短期間で準備を整える力」と「相手に合わせたプレゼンテーション能力」が問われます。以下の5ステップを通して、戦略的に準備を進めましょう。
(1)プレゼン面接の目的に合わせた資料をつくる
プレゼン面接では、短い準備期間で完成度の高い資料を仕上げることが求められます。デザイナー職のようにアウトプット自体が評価対象になる場合は、ビジュアルや構成に力を入れる必要があります。一方で、企業・職種によっては資料の出来栄えよりも「企画力」や「伝達力」を重視するケースもあります。プランナー職であれば構成や説得力、広報職であれば「誰に何を伝えるか」の明確さなどが重視されると考えられます。資料づくりに入る前に、「なぜこの企業がプレゼン面接を実施しているのか」を分析し、注力ポイントにメリハリをつけましょう。
また、実際の資料作成に入る前に、次の点もしっかり確認しておきましょう。
●企業理解を深める コーポレートサイトやIR情報、プレスリリースなどから企業の現状と課題を把握 ●過去の事例を参照 類似業界や職種でどのような提案が通用するか、事例を収集 ●プレゼン形式を確認 制限時間、使用ツール(PowerPoint、Googleスライドなど)、提出方法の確認 |
(2)プレゼン相手を確認する
プレゼン面接を誰に向けて行うのかによって、評価基準や着眼点は変わります。面接官が人事担当者なのか、配属予定部署の責任者なのかによって、資料や内容を調整する必要があります。プレゼン相手に合わせた構成・表現を意識しましょう。
(3)アピールポイントを絞り込む
プレゼン面接の時間は限られているため、面接官へ伝えたいメッセージを1〜2点に絞ることが大切です。情報を詰め込みすぎると、かえって発表の印象が散漫になってしまうでしょう。「何を最も伝えたいのか?」を明確にし、シンプルかつインパクトのある構成を意識しましょう。(4)発表の構成を整理する
プレゼン面接には、いくつか定番の構成があるため、話す内容によって適切なものを選びましょう。定番の構成としては、例えば、PREP法(Point・Reason・Example・Point)を利用したり、「主張・根拠・結論」の順で組み立てたりすることで、ロジックを整理し、説得力のあるプレゼンを行うことが可能になります。
(5)想定質問に備える
プレゼン面接には質疑応答が必ずあると考えて準備しましょう。「なぜこの提案にしたのか」「他案との比較は?」など、事前に想定される質問とその回答を準備しておくことで、焦らずに対応でき、信頼感を与えることができます。上記の準備を通じて、「自分がその職種で何を提供できるのか」を明確に企業へ伝えることが、プレゼン面接成功の鍵となります。
プレゼン面接の発表時の注意点と、よくある失敗例
次に、プレゼン面接の発表時に気をつけるべき点や、実際に起きやすい失敗例を紹介します。内容のみならず、話し方も重要な評価ポイントです。面接準備の際は次のような点を意識しながら練習しましょう。
■発表時に意識したいこと
・スライドを読み上げない・適度なスピード・間・抑揚で話すことを意識する
・適度に聞き手を(オンライン面接の場合、カメラを)見ながら話す
・(オンライン面接の場合は特に)聞き手の理解を随時確認する
■よくある失敗例
・制限時間をオーバーしてしまう・情報過多で何を伝えたいのかわからない
・表情や声に緊張が出すぎてしまう
・準備不足で質問の回答に詰まる
最後に|練習がすべてを変える
プレゼン面接で起こりがちな失敗、その最大の対策は「反復練習」です。家族や友人に模擬プレゼンを見てもらったり、スマホで録画を行いながら話すスピード、表情、資料の操作などをセルフチェックしたりする練習も効果的です。面接はあくまでコミュニケーションの場でもありますから、一方的にならず、相手の表情や理解度を確認しながら発表することも忘れないようにしましょう。
また、業界や企業ごとの選考傾向の把握も非常に重要です。プレゼン内容は企業の意図や風土に合わせて調整する必要があります。
クリエイティブ・マーケティング職種の転職支援に強いマスメディアンでは、志望企業の傾向やニーズに合わせて、プレゼン面接を含む選考への対策も行っております。プレゼンの準備はきちんとできていればいるほど、大きな自信につながります。ぜひマスメディアンを利用して、志望企業のプレゼン面接を一緒に成功させましょう。
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