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車に関するあらゆるデータを活用しカーライフ革命を起こす―株式会社ファーストグループ

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1960年に奈良県で創業して以来、約60年に渡って自動車整備や車両の販売などの事業を手掛けてきたファーストグループ。築き上げた強固な財務基盤を強みに、現在を第二創業期と位置づけ、新しい事業に挑戦しようとしています。モビリティの力で社会問題を解決するために「カーライフ革命で人々に喜びと感動を」というミッションを掲げる同社が、具体的に何をしようとしているのか。イノベーション本部ブランドマーケティングユニットリーダーの稗田次世さんに、詳しい事業内容についてお伺いしてきました。(マスメディアン編集部)

――稗田さまのこれまでのご経歴を詳しく教えてください。
LVMH Japan(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン)でキャリアをスタートしました。高級消費財であるルイ・ヴィトンのブランドビジネスに従事し、ブランド価値がビジネスを飛躍的に成長させる過程を体感しました。その後、米国のGE(ゼネラルエレクトリック)社へ入社。個人向け金融ブランドのブランドマネージャーとしてデジタルおよびマスマーケティングの牽引のほか、クレジットカードブランドや東南アジアにおける事業の立ち上げを経験しました。「大企業の看板なしで自分の能力がどこまで通用するのか?」を自問し、スタートアップ企業へ転職。フィンテック領域のPaidyでマーケティング部門の立ち上げ、スキルマーケットのココナラで戦略策定を担当し、2020年にファーストグループへ入社。現在はブランドとマーケティングを担当しています。

――御社で展開するサービス「cars」について詳しく教えてください。
carsはカーライフを中心とした今までにない革新的なプラットフォームサービスです。整備事業者向けにMA(マーケティングオートメーション)ツールである「cars MANAGER(カーズマネージャー)」を提供しています。蓄積された車両やドライバー情報のビッグデータをAIが解析し、ユーザー(cars会員となるエンドユーザー)へさまざまな機能を提供するサービスです。具体的には自動車の売買やメンテナンスなどの保有に関わるもの、カーシェアやデリバリーなど利活用に関わるもの、さらには資産形成のお手伝いまで、人々の暮らしを豊かにするきめ細かいカーライフサービスをワンストップで提供していきます。また、近い将来、海外での展開も視野に入れています。

――先日、「cars MANAGER」がローンチされたとお伺いしました。具体的にサービスの概要を教えていただけますか。
まず前提として、自動車整備産業は9万を超える事業所があり、50万人以上の方が従事しています。この業界の市場規模は5.5兆円と言われ、巨大なマーケットとなっています。ところが、多くの整備事業者は経営状況が可視化されていません。そのため業務改善をしたくても参照するデータツールがありません。加えて、この業界は、紙の伝票やファックスなどアナログな文化が強く残っていて、顧客とのコミュニケーションにおいても、車検のたびに、電話やファックス、はがきで案内するなどアナログな手段でアプローチをするのが一般的です。当社は自動車整備産業のペインポイントの解決と成長のカギはDX化にあると考えました。

そこで我々は、デジタルリテラシーが比較的低い整備事業者の方々でも使いやすいUI/UXデザインにこだわったMA(マーケティングオートメーション)ツール「cars MANAGER」を提供に向け開発を行ってきました。これにより、整備事業者は経営状況をつぶさに把握することができ、また車両や顧客の情報をデータで管理することが可能になります。加えて、cars MANAGERは集客機能も持っているのでLINEやSMSといった新しいコニュニケーション手段も生まれ、一人ひとりの顧客に合わせた質の高い接点管理を実現できます。これにより、従来あまり顔の見えない整備事業者が身近な存在になり、まさに医療で言う「かかりつけ医」のような存在になることができるのです。

イノベーション本部 経営戦略部付 部長 兼 ブランドマーケティングユニット ユニットリーダー 稗田次世さん

――整備事業者のマーケティングやCRMの支援ツールになるのですね。
おっしゃる通りです。また、このツールのより魅力的で特徴的な点は、顧客の情報も入力できることです。車両だけでなくドライバーのデータも入力して蓄積します。「ドライバーはどんな人か」、「なぜこの車を買ったのか」、「家族構成はどうか」、「違う車にいつ乗り換えたいと思っているか」、「どのような用途で使用するのか」などです。そうした情報もデータ化することで、よりきめの細かなサービスが実現できます。

そして、こうした自動車やドライバーのビッグデータが蓄積されることで、当社はより壮大なエンドユーザー向けのプラットフォームサービスを構築することが可能になります。今までお話したのは自動車整備事業者向けのBtoB製品についてですが、我々の目指すゴールは「BtoC」、「CtoC」のサービス領域も含んでいます。

――蓄積されたデータベースからエンドユーザーへのサービスを展開するビジョンがあるのですね。具体的な構想を教えていただけますでしょうか。
集められたデータを基に、ユーザーの車両メンテナンスの補助や、ユーザー同士の車の売買、さらにカーシェアといった利活用なども展開したいと考えています。

一番わかりやすいのはユーザー同士の車の売買です。例えば、あるユーザーがメーカーA社の車に乗り換えたいと思っているとします。その時、cars MANAGERには多数のA社の車のデータが蓄積されています。このデータがユーザーのアプリ上で表示されます。また、膨大な車両売買データをAIで解析することにより、それらの最適な車両価格を出すこともできる。すると「その価格だったら売ってもいいよ」という所有者の方が出てきて、売買が成立する。いわゆるクルマのマッチング売買マーケットです。

このCtoCサービスは、一般的な中古車販売サービスとは、毛色が異なります。一般的な中古車販売でやり取りされるのは「もう要らないので売ろう」と所有者に判断された車ですが、carsのデータベースの中にある車はそうではありません。「まだ乗って使っているけど、納得いく価格であれば売ってもいい」という車も多くあるので、旧来の中古車販売で掲載されるものとは、車としての価値が大きく異なります。また、絶対的なボリュームも異なります。現在、最大手の中古車販売会社の車両掲載数は40万ほどですが、carsのデータベースに溜められていく車両数は数百万台を予定しています。つまり売買価値の高い車を国内最多掲載量のなかから選べるわけですから、ユーザーにとってこれほど利便性の高い売買サービスはないと思います。

今の話はまだ構想段階ですが、多くの自動車整備事業者にcars MANAGERが導入されていくことで、実現可能になります。既に多数の導入申し込みもあり、蓄積されるデータも結構な量になると確信しています。そのため、ユーザー向けのサービスも早々に立ち上がる段階に差し掛かってきています。

――売買やシェアリングなど、車にまつわるサービスをワンストップで行う壮大な構想が背景にあるのですね。
我々の構想が実現すれば、世の中に変革を起こせる事業になります。今、日本には6000万台を超える乗用車が保有されています。中古車の平均価格が120万円ほどで、これだけの莫大な規模の流通商材はほかにありません。車は住宅の次に高い買い物です。にもかかわらず、車を売買する時やメンテナンスをするとき、ユーザーに適正かつ充分な情報があるかと言われると、そうとは言えないと思っています。

我々がブランドに据えるcarsは「Enjoy!Smart Car Life」をコンセプトにしています。カーライフというと車でドライブしたり出かけたりするくらいに思うかもしれませんが、我々はこのカーライフを「クルマの保有、利活用さらに移動をデザインする」ということまで含有する大きな概念で捉えています。透明性のある情報でクルマを売買し、移動に際して安価で簡単にカーシェアが使える、移動の不便を解消する。それがcarsの掲げるSmart Car Lifeです。

自動車業界におけるMaaSの本質はこのSmart Car Lifeに集約され、そこにcarsが中心的な役割を担っていくと信じています。とはいえ、まだよちよち歩きの事業ですから、顧客体験を大事にした製品設計やコミュニケーション導線を整備して「クルマを介したサービスのことは全部carsへ」というブランドにしていきたいですね。

――車に関するあらゆるデータを蓄積することで提供できるさまざまなサービスをゼロからつくろうとしているのですね。とてもポテンシャルの高い事業だと思いました。次に、今回マーケティング職種を複数募集していると伺いました。求めている職種・人材についても詳しくお伺いできますか。
現在、この事業のマーケティングを推進するブランドマーケティングユニットのメンバーを募集しています。ユニットは4チームに分かれています。【1】製品コンセプトの設計をするプロダクトマーケティングチーム、【2】デジタルの顧客獲得などを担うダイレクトマーケティングチーム、【3】中長期でのブランド育成を行うブランドコミュニケーションチーム、【4】UIやUXのデザインを担うデザインチームです。

このように細かく分けているのは、ジョブ型の採用をしたいと考えているからです。我々は申し上げた通り、BtoBもBtoCもCtoCも、車に関する個別サービスを全て具備していきます。それを実現するためには、創業期の段階でプロフェッショナルな人材を集め、密度の高いマーケティングをやっていく必要がある。そのため、なにか1つ自信を持って語れる分野がある人がいいですね。「テレビCMのスポットバイイングもCRMもあらかた経験しています」、というより「CRMに毎日エネルギーを注いでいるのでこの分野では誰にも負けません」と言える方。マーケティングは領域や定義が広いだけに芯のあるスキルを求めたいですね。

マインド面では、2つの素養を求めたいです。1つは、「カーライフ革命で人々に喜びと感動を」という我々のミッションに共感してくださる方を求めます。僕は、仕事というものは、ミッションドリブンであるべきだと思うので、このミッションにおいて何かを成し遂げたいと思える人と一緒に仕事がしたいと思います。

2つ目はイノベーターマインドを持っている方。一般的なスタートアップは、プロダクトが既にできていますが、我々は完全にゼロからイチをつくりあげていく段階です。このようなフェーズを、事業が成立するのか不安だ、とネガティブに考えるのではなく、自分の手で創出していく。そこに魅力的に感じる方に応募していただきたいですね。

ちなみに、よく聞かれますが、車の免許は必須ではありません。車を毛嫌いしていない方であれば大丈夫です(笑)。現在のメンバーは多種多様なキャリア背景のメンバーで構成されており、ほとんどが自動車産業とは別の業界から集まっています。

<募集職種>※2021年6月21日現在
デザインチーム所属(UI/UXによる顧客体験の創出)
●UI/UXデザイナー
MaaSブランド「cars」においてユーザーの利便性とトランザクション増加を目的としたUXデザインを担っていただきます。

●UIデザイナー
MaaSブランド「cars」におけるUIデザインを担っていただきます。

――御社のブランドマーケティングユニットをどのような組織にしていきたいですか?
データドリブンかつクリエイティブな組織にしていきたいですね。相反した概念かもしれませんが、マーケティング戦略の勝ち筋はこの二律背反した概念の融合にかかっていると思います。僕自身、マーケティング実務は90%の割合でデータドリブンです。ただし、データ分析は基盤で大事なポイントですが、データ分析から得られる示唆は一定の高いスキルがあれば同じ答えが出てきます。競争環境で勝負の成否を分けるのは10%のクリエイティビティ。創造あふれるアイデアこそが独自性を生み出すと思っています。数字で事実を追いかけながらも、気軽に「こんな機能やサービスがあるといい」を話し合える組織にしたいです。

――ありがとうございます。最後にあらためて応募を検討している方へのメッセージをお願いします。
転職先の選択をされる方が読んでおられると思いますが、大企業とスタートアップ企業を経験した立場から言わせてもらうと、昨今、事業の安定成長などいうものは多くの企業にとって砂上の楼閣です。産業のデジタル化により参入障壁なんて透明なガラスでしかありません。既存事業は常に外敵にさらされています。小さい企業は不安という人がいますが、ベンチャーに行くことは、きちんと自分をプレゼンする力さえあればリスクではないと思っています。むしろ、大きな裁量権を持って決断と実行を繰り返す、というとても貴重な経験を積めます。自分がしたいことに合わせて、事業をデザインしていくくらいの気概で仕事選びをしてほしいと思います。当社はその気持ちに応えられる環境にあります。

もう1つあげれば、巷の企業の会議では「そもそも論」がしばしば散見されますが、当社にはありません。なぜなら、いまがその「そもそも」だからです。原点のストーリー格子をつくり上げる段階です。ですので、製品設計からマーケティングが入る、コミュニケーション設計からデザイナーも入る。だからこそ得られる「地に足のついた」マーケター、デザイナーのキャリア構築をお約束します。

――お話を伺って、壮大なスケールの事業を、ゼロから創出できる素晴らしい環境だと思いました。本日はどうもありがとうございました!

※2021年3月に取材した内容を掲載しています。