【北陸特集】Iターン転職は成功だったのか?1年経って振り返る。

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石川県金沢市に本社を置く広告会社アドマック。この地で45年以上積み重ねてきた地域との信頼関係は強固で、松本社長は「地域のお客さまのために」という信条をとても大事にされています。今回お話を伺った鍋嶋さんは、結婚を機にパートナーの都合で金沢に越し同社にIターン入社されました。入社から1年が経過した今、当時の転職活動を振り返っていただきました。
(マスメディアン編集部)

移住するなら「その土地らしさ」を味わう

株式会社アドマック
営業本部 マーケティング部
プランナー
鍋嶋万里子氏

――鍋嶋さんの今までのご経歴をお聞かせください。
鍋嶋:新卒の時に東京の化粧品メーカーに入社して、グラフィック制作の仕事を担当したのが最初です。そこの販促部門で5年ほど経験を積み、転職して次はスポーツアスレチックブランドを扱うメーカーに転職しました。Webやイベントも含めたブランドマーケティングを経験したのち、その他の商材にも興味が出てきたため不動産会社に転職し、CMを中心としたメディアプロモーションに携わりました。結婚を機に金沢へ移住し、今はアドマックで、地場の会社や官公庁などをクライアントとして、抱えている課題に対しての解決策を、マーケティング・ブランディング視点でご提案する仕事をしています。
 
――なるほど、グラフィック制作から、どんどんキャリアの幅を広げていったのですね。前の3社はメーカーであったのに対し、今回広告会社であるアドマックを選ばれたのはなぜでしょう?
鍋嶋:新しい土地で再スタートを切るにあたって、いろいろなことを吸収したい、体験したいという思いがありました。メーカーでは自社の決まったもののみを扱いますが、広告会社であればさまざまな商材を扱うことができるので、幅広くその土地や文化に関われるのではと考えました。
 
――今回、転職先を選ぶにあたって、どんな基準で探されたのでしょう?
鍋嶋:せっかく石川県に住めることになったのだから、その土地に貢献できる仕事や、文化に関われる仕事に就きたいという思いがありました。そんな折にイメージに近いアドマックを紹介していただき、ご縁を感じました。金沢ならではのお仕事に携われるという仕事内容はもちろんですが、面接の際に感じた会社全体の雰囲気や印象が良く、自分に合うのではないかなと思えたことも大きかったです。また、武家屋敷や兼六園、尾山神社も近く、金沢らしさを日々感じられる立地の良さにも心惹かれました。

地縁が全くない場所へのIターン

――鍋嶋さんはIターンで転職されたのですね。今までは何か金沢にご縁などはあったのでしょうか?
鍋嶋:全くありませんでした(笑)。大学生の頃に一度旅行で来たくらいです。
 
――地縁がない中での転職活動はやはり不安でしたか?
鍋嶋:そうですね。もともと人見知りする性格な上に、知っている人も家族以外誰もいない状態なので、交流関係を一から始めることはやはり不安でした。でもいざ入社してみると上司や同僚の皆が温かく受け入れてくれて、自然に馴染むことができました。また、社長が社員一人一人をよく見てくれていて、気さくにアドバイスをくださるので、とても風通しがよく働きやすい社風だと感じています。そのおかげで、今は日々勉強しながら仕事に打ち込めています。

株式会社アドマック
取締役社長
松本浩平氏

――では逆に松本社長に鍋嶋さんの印象などについてお聞きしたいのですが、面接の際、どのようなところを見ていたのでしょうか?
松本:当社で働いている姿が想像できるかどうか。つまりアドマックの社風や雰囲気に合っているかどうかです。もちろん本人の経歴から期待するところも多分にあります。しかし、採用の際に重要視するのは、月並みですが人柄です。輝かしいキャリアを持っていても、仕事・業務がいかにできる人間でも、傲慢で自己中心的な考え方は当社には合わないと思います。面接時は、人の話を聞く姿勢、即ち「素直さ」を見ています。人は経験やキャリアを積めば積むほど、既成概念や固定概念にとらわれがちになりますが、「いつでも人の話を素直に聞く」という素質は、当たり前のようで大変難しく、しかし最も重要であると私は考えます。
 
――面接の際に、鍋嶋さんの人間性が御社に合うと感じられたのでしょうか。

松本:直接会って彼女の話し方や立ち振舞いといった姿勢からも好印象を持ちました。「自分がどう思うか」ではなく、「相手がどう感じているか」を考えることができる人材であるとも感じました。これも当たり前のことですが、仕事においてもお客さまの立場や視点に立って、お客さまの意向に対して深く考えていくことが第一義ですから。
 
――鍋嶋さんを採用されて1年経ちますが、実際に働いての印象はいかがですか?

松本:真摯に業務に取り組んで、入社早々即戦力として活躍してくれています。特に昨今では女性の視点や感性を求められることが多く、企画書一枚にもそのような要素が盛り込まれていて、お客さまからも評価をいただき非常に助かっています。
鍋嶋:女性で同じような職種の方が地域的に少ない印象を持っていたので、その分まず自分自身がしっかりしなければという気持ちと、必要としてもらえる環境があることへの感謝をもって、そして良い意味でのプレッシャーを感じながら仕事に取り組んでいます。

地域に根ざし、地域に還元する会社

――御社の強みとはどういったところでしょうか?
松本:弊社の強みは、やはり地域に立脚する広告会社としての歴史と実績、そしてこの場所で築いてきたネットワークです。この地域に根ざし、この地域のお客さまのために役立つという理念は、他社に追随できないところがあると考えます。また、全国各地域で活動している広告会社のアライアンス(メイシス*1)への参画や首都圏の大手広告会社との業務提携・連携の中で、地域にとどまることなく、情報やサービスを収集し、地域や地域のお客さまへ課題解決の具体的な施策を提供できると自負しています。
 
*11999年に日本全国地域一番店の広告会社が集まり発足した広告会社のコンソーシアム

――地域に根ざして進めた仕事の実例などがあれば教えてください。
松本:1999年にシンクタンク「(株)都市環境マネジメント研究所」を設立し、2000年に金沢のまち全体を博覧会場に見立て、講座やイベントなどを行う「かなざわ・まち博」を開催しました。地域の広告会社として、自らの生業を通して、地域の発展・活性化に役に立てることは何かと考え、始めたのがシンクタンクの創設とこの企画です。行政、各種団体、企業の皆さまにご支援とご協力をいただき、まち博も今年で18年目を迎えました。金沢市民の皆さまをはじめ、たくさんの方々にご参加をいただき、好評をいただいております。金沢のまちを再発見していただく、より金沢のまちに愛着を持っていただく、そんな機会をご提供できているのではないかと思います。
 
――どのような人に応募してきてほしいと思っていますか。
松本:一に人柄、二に人柄、三四がなくて、五に人柄。やはりその人の人柄・人間性が大切だと思います。何を売るにしても、どんなサービスを提供するにしても人と人とのコミュニケーションが起点です。勿論IoTやAIの技術革新によって、機械化・自動化されるものもでてきていますし、これからますますその領域も拡がってくると思います。だからこそ、ますます人と人とのコミュニケーションが大切になってくると思います。素直さ、明るさ、元気さ、誠実さ、謙虚さなど、人として、社会人として、会社人として基本的なことがしっかりと身についたメンバーとともに、地域のために、お客さまのためにこれからも一生懸命頑張っていきたいと思います。

――最後に、鍋嶋さんと同じようにUターン、Iターンを検討されている方に一言いただけますでしょうか?
鍋嶋:石川県へ移住することを決めた時は、土地勘が全くないところに住み、また今まで経験してきた広告主側ではなく広告業側の会社へ入ることにもちろん不安を感じました。それでも新しい場所で、新しい仕事に就けることを想像してワクワクした自分もいました。内気な性格ですが、新しいものに対する好奇心は持っていたので、思い切って挑戦してみよう!と飛び込んでみたら新しい世界が拓けて今があります。移住に限らず、何かを変えたい、今をよりよくしたいと思うことがあるなら、小さくても何か行動してみることが大切だと思います。日常がより良い方向に変わるきっかけに出会えることを願っています。
 
――ありがとうございました!


※2017年7月に取材した内容を掲載しています。