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生活者のことを一番に考えて、すべてのブランドの判断基準を顧客に置く。日本企業に合ったブランド戦略とデザインを手掛ける―バニスター株式会社

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グローバル大手のブランドコンサルティング会社出身の代表が、2008年に創業した“ブランド戦略の専門会社”バニスター。まだ日本国内でブランディングの概念がまだ浸透していない時代から、大小問わない企業のブランディングに取り組んできました。手掛ける領域は志向性分析、コンセプト開発から製品デザイン開発、ネーミング、店頭デザイン、インナーブランディングなどブランド戦略に関わることはすべて。そんな日本のブランディング業界の草分け的存在であるバニスターでは、現在デザイナーとデザインディレクター、コピーライターを募集中。会社概要やブランディング、仕事の進め方、求める人物像について、代表取締役の細谷正人さんにお話を伺いました。(マスメディアン編集部)

――まずは細谷さんのご経歴を教えてください。
新卒でNTTへ入社し、宣伝の仕事をしていました。テレビCMなど規模の大きい案件が多く、広告宣伝費もたくさん使っていたのですが、「果たして広告キャンペーンでブランドはできるのか」という疑問が湧きました。莫大な投資で大きなキャンペーンを展開しても、持続しつづける認知度や好感度はさほど上がっておらず、広告キャンペーン単体ではブランドの愛着づくりにあまり寄与しないのではないかと感じていました。大規模な日系航空会社のリブランド戦略プロジェクトを行うタイミングで、米国に本社がある大手ブランドコンサルティング会社へ転職しました。当時はブランディングという概念が一般化されていなかったのですが、体系だったメソッドがあると聞いて興味を抱いたのです。

前職では、ブランディングの定義とその手法について徹底的に学びました。そしてブランドとは「顧客がブランドに対して持つすべての記憶や体験の総和」であると理解しました。その記憶や体験には、もちろんブランドの商品自体も含まれますが、広告やロゴ、従業員のサービス、商品体験など、有形無形に関わらずすべてが含まれます。しかしそのすべての記憶や体験づくりを個別に対応していてはキリがありません。だから「どのような記憶や体験を届けたいか」ということを中心に据えた強いコンセプトが重要になります。そのために、ブランドの価値や資産を集約し、ブランドの提供価値として整理していくことが最も重要です。

代表取締役 細谷正人さん

――バニスターを創業したきっかけをお聞かせください。
グローバルで使われているブランディングメソッドは、確かに素晴らしいのですが、グローバルスタンダードな考え方で、かならずしも日本企業にフィットする仕組みではないと感じていました。もともと日本ではブランディングは1990年代に発表されたデビッド・A・アーカーの著書などによって、ブランドは企業資産であるということで企業経営の観点から注目されました。一方で、日経BPコンサルティングによると、日本の企業は100年続く長寿企業が3万3000社を超え、世界の41%を占めています。更に創業200年以上の企業では、その比率が65%まで上がります。(*1)

そう考えると、実はブランディングはグローバル発のマーケティングメソッドではなく、日本企業がすでに実践してきたお家芸なのではないかと思うようになりました。ブランドは、牛を識別するための焼き印から生まれたことが起源になっていますが、日本には昔から「家紋」や「のれん」のような志や伝承を印として表現されたものが存在するように、お客さまのことを一番に考えて、全ての判断基準をお客さまに置くという”ご贔屓さん”という顧客第一の姿勢によって、日本の企業に適合した日本独自のブランディング手法が見出せるのではないかと考え、ブランド戦略の専門会社としてバニスターを2008年に創業しました。

――ブランディングエージェンシーのなかで、御社の特徴を教えてください。
当社の強みは3つあると思っています。

まず1つは、ブランド戦略という概念がまだ浸透していなかった2008年に創業した会社であることです。そのような時代から、一つひとつの案件を大小問わずやり抜いてきました。それについては、是非当社のホームページ(https://bannistar.com/)を見ていただきたいと思います。たくさんのケーススタディを掲載していますので、それを読んでいただければ、私たちがいかに、地道に丁寧にブランドづくりを行っているかがわかっていただけると思います。

2つ目は、「人」を起点にブランディングを行うことです。「人への深い洞察からブランドの本当の価値を引き出す」と当社では呼んでおり、決してデザイン性の高いものをつくることが目的ではありません。人とブランドの関係を構築し、デザインの役割はその関係性を愛着のあるものに変化させることです。ブランド顧客のことを一番に考えて、全ての判断基準をその顧客に置きます。私たちの仕事の出発点は常に「人とその気持ち」。インサイトという言葉も使い古されてしまっている気がしますが、お客さまを洞察するために、定性調査や定量調査も含め顧客の心を読むことを慎重に行ってから、デザインなどの施策を進めることも当社の強みだと思います。

そして、最後の3つ目として、クリエイティブとマーケティングのバランスが良いことです。当社では、最初から最後まで必ずクリエイティブとマーケティングのメンバーが並走して仕事を進めます。明確な業務の住み分けもしていません。デザイナーがストラテジー側に意見をすることもありますし、ストラテジー側がデザイン自体に意見をすることもあります。常にクリエイティブとマーケティングのバランスが取れていて、どちらかに偏っていないことがバニスターの特徴です。それは、組織だけではなく、社員一人ひとりにも当てはまります。

――具体的にどのような仕事が多いのでしょうか。
基本的にはブランド戦略に関することはすべてです。パッケージデザインやネーミングの案件もありますし、より上流の経営ビジョンやデザイン理念、ブランドステートメントをつくることもしばしばです。また近年では、社内啓発のためのインナーブランディングの仕事も増えています。クライアントは大規模なグローバル企業から中小企業まで、業種業界も多種多様です。本当に幅広いクライアントとお付き合いさせていただいています。Webなどのお問い合わせからご依頼をいただくケースがとても多いです。

コロナ禍ということもあり、改めて顧客とのつながりを意識するクライアントが増えてきました。そのつながりを再構築したい時に、私たちのようなブランド戦略とデザインを専門としているチームが求められているのかなと思います。それは、自社メディアである製品やツール、ホームページやSNS、アプリ、広告宣伝、PR、店舗設計、社員のふるまいやマインドなど、ありとあらゆる有形無形の資産をすべて集約して、ブランドコミュニケーションをコントロールする必要があるからではないでしょうか。

――クライアントに共通している特徴はありますか?
この数年で、本質的なブランド活動を重視している方が増えました。目立つ広告をつくったり、美しいデザインをつくったり、単なる可視化される部分だけをつくればブランドが自然と形成できるわけではないと認識されはじめました。ブランディングに重要なのは、顧客に提供する価値を、常にブレないで根気よく伝え続けることであると理解されてきました。そのため、私たちの仕事も長期的な視座でブランドをじっくりとつくっていくものが多いです。プロジェクト期間も平均1年間におよぶ長期のものが多いですね。

――ありがとうございます。次に、今回募集しているデザイナーとデザインディレクター、コピーライターの求人についてお伺いしたいです。具体的な仕事内容を教えてください。
ブランディングの視点でCIやVI、プロダクト、商品パッケージ、売場環境、ガイドラインなどのブランド戦略に関わるすべてのデザイン開発に携わっていただきます。デザイナーはデザイン業務がメインです。デザインディレクターはクリエイティブディレクターと同様に、ストラテジーチームの考え方を理解した上でデザインのディレクション業務を担っていただきます。コピーライターは、ストラテジーとクリエイティブと連動しながら、ブランドを常に言語化していく業務です。

先ほどもお伝えしましたが、当社では案件の最初から最後まで必ずクリエイティブとマーケティングのメンバーが並走して仕事を進めています。課題の発見やコンセプトづくりの段階からクリエイターが入ることで、ブランドのデザイン理念がしっかりと実行できる形としてつくられていきます。そのため、デザインディレクターもしくはデザイナーがストラテジーの役割を担う場合もありますし、その逆もしかりです。

――求めるスキルやマインドはいかがでしょうか。
ブランド戦略におけるデザインへの理解やご経験がある方を求めています。面接では、ポートフォリオのアウトプットよりも経験されてきた仕事に対するプロセスを重視しています。なぜそのデザインに決まったのかを説明できる方、コンセプトを理解し、デザインへの落とし込みができる方を求めています。

マインド面では、良いものをつくり続けることを大切にしている方。正しく、誠実に取り組む方です。今のメンバーはそういう人たちなので、バニスターの社員として増えればいいなと思っています。そして、ブランディングの仕事は、長期的なプロジェクトも多く、クライアントの状況が変わることもしばしばです。そこでブレないでやり続ける気力と精神力も必要とされています。

――御社で身に付くスキルは何だと思いますか。
ブランドは、正確なプロセスを踏んでいかなければ形成できません。当社で仕事をしていくなかで、ブランドを創る職人のように緻密に誠実にブランドを考えていく技術を習得していただけると思います。

私は、ブランド戦略とデザインを実行するためには、確かな技術が重要だと思っています。デザイナーで言えば造形力です。時代の気分やテクノロジーの進化で変化するものではなく、ブランディングには不変的な「型」があります。もちろんその「型」は、日本企業流もあれば、一社一社違う「型」もある。しかしその基本は変わりません。だから、不変的な「型」をきちんと習得すれば、どのようなブランディングにも活用でき応用も可能になります。ブランドづくりの「型」を当社では身に付けることができると思います。

――最後に、今後の御社の展望を教えてください。
2008年の創業時から変わらず続けてきたように、これからも一社一社の案件を解決していくことを積みながら、変化する日本企業のためのブランドづくりをサポートしていきたいです。ブランドづくりは遅効的なものであるとよく説明するのですが、すぐ手をつけたからと言って即効性のあるものではありません。それは明日すぐ変化するものではなく、あとでじわじわと効いてくるもの。ある時に、ブランド価値が毀損されていたことに気付いた時は手遅れです。私たちは生活者を主語にブランドをサポートし続け、本質的なブランド戦略とデザインの本質的な「型」を根付かせていきたいと思っています。

――まだブランディングの概念が浸透していない時代から、本質的なブランド形成に取り組んできた御社で学べることは多いと思いました。本日は貴重なお話をありがとうございました!

※2021年6月に取材した内容を掲載しています。

*1:日経BPコンサルティング「2020年版100年企業<世界編>」による
https://consult.nikkeibp.co.jp/shunenjigyo-labo/survey_data/I1-03/