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ブロックチェーン業界の「地図とコンパス」として新しい道を切り拓く─N.Avenue株式会社

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N.Avenue(エヌ・アベニュー)株式会社は、ブロックチェーン、暗号資産などを起点に、金融、フィンテック分野において情報発信を行う次世代経済メディア・CoinDesk Japanの運営企業です。立ち上げメンバーの一人である代表取締役社長 神本 侑季さんは、ヤフーにてメディアの事業開発、コンテンツマーケティング、暗号資産・ブロックチェーン領域での新規事業に従事していたご経歴をお持ちです。ブロックチェーンや暗号資産は「難しい、理解できない」というイメージが先行しがちですが、神本さんは「社会や経済が変わる最先端を追える非常に楽しい領域」と語ります。N.Avenueとブロックチェーンの現状、そして今後の展望について、お話をお伺いしました。(マスメディアン編集部)

──N.Avenueの成り立ちについて教えてください。
ヤフー(現:Zホールディングス)を母体とする投資事業会社、Zコーポレーションの出資を受けて設立された会社です。ヤフーはインターネット黎明期から20年間以上にわたり、インターネットに関わるさまざまな事業を展開してきました。しかし、近年では、AI、IoT、ブロックチェーンなどといった、既存事業ではカバーしきれない技術がめざましい発展を遂げています。Zコーポレーションは、そのような10年単位で経済・社会に大きなインパクトを与えうる成長領域に投資していくためのベンチャーキャピタルです。
 
私たちN.Avenueは、それらの領域のなかで、特にブロックチェーンに注目しています。ブロックチェーンはまだ本格的な実用化、商用化に至っているとは言えず、業界も混沌としています。そのため、まずは情報インフラを整えることが業界の発展につながると考え、ブロックチェーン業界で世界最大級のメディアとイベントを運営する米・CoinDeskとライセンス契約を結びました。そして現在、Webメディア「CoinDesk Japan」と、日本最大級のブロックチェーンカンファレンス「b.tokyo」を運営しています。
 
──なぜCoinDeskと提携してメディアを始められたのでしょうか?
まずは信頼のできる情報源と、メディアリテラシーのある編集部をおさえる必要があったためです。ブロックチェーンの特徴のひとつに、中央集権的な管理者がいない「分散型」であることがあります。それは、関係者も当てはまります。スタートアップから大企業、規制当局、技術者、研究者まで、とにかく関係者が多く、しかも世界中に分散されているため、信頼できる情報源を識別することが容易ではありません。
 
CoinDeskは、ブルームバーグ出身者が多いためメディアの信頼性が高く、またブロックチェーン業界で最大のカンファレンスの主催企業としてリアルなコミュニティを持っています。そのため同じ目的を共有できると考えました。

──さまざまな成長領域があるなかで、なぜブロックチェーンを選ばれたのでしょうか?
安全で透明性の高いデジタルデータの管理は、法律の壁や技術の壁に阻まれて実現できていませんでした。その技術面の解決策になりうるのがブロックチェーンだと考えているためです。現状、ブロックチェーンの実用例として一般的に知られているのはビットコインなどの暗号資産だけですが、BtoB(企業間取引)の領域では直近の1年半で急激に実用化が進んでいます。普及するまではまだ時間がかかる見込みですが、我々メディアが広く現状を伝えることで、実用化にアクセルをかけることができると思っています。
 
例えば、政府でも企業でもデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が急務となっていますが、その技術的な基盤としてブロックチェーンが活用されています。なぜかというと、デジタルデータの不正な改ざんを防げる技術だからです。企業においては、資料のペーパーレス化やデータベースの整備などデータのデジタル化は進んでいても、契約書締結や決裁フローなどの業務ではデジタル化が遅れている場合が多いです。これは、情報のやり取りにおいて信頼性を担保することが難しかったためですが、ブロックチェーンを用いて解決ができる可能性があります。
 
また、個人情報の管理への活用も期待されています。ひとことで個人情報といっても、行政情報、購買情報、投資情報などさまざまな種類があり、それぞれの情報を多数の事業者が個別に保有しています。デジタル化されていない情報も多く、管理は非効率的な状態です。そのため、すべての情報をデジタル化して紐づけ、組織間で共同管理することで、データ活用の効率を上げることができます。組織間での機密情報の共有は慎重に進める必要がありますが、ブロックチェーンを使えば個人情報を保護しながらの情報共有が実現できます。各企業にとっては、データを独占できなくなるというデメリットはありますが、他社のデータを利用でき、また管理が効率化されるため、その分のリソースで独自の新たな付加価値をつくりだし、他社との差別化を図れるというメリットがあります。
 
先進的な企業ではこういったブロックチェーンの活用事例が共有されていて、目下、より広範囲での実用化に向けて議論されているところです。
 
──ブロックチェーンというとビットコインなどの暗号資産をイメージしてしまいますが、神本さんが今、特に注目しているトピックを教えてほしいです。
私たちがいま一番面白そうだと思っているのは、デジタル証券です。証券化の手続きには、信頼性を担保するために膨大な手間とお金が費やされています。それがブロックチェーンの技術と法改正によってデジタル化が実現できます。そうすると、これまでなかった投資商品や新しい種類の資産が生まれ、今まで挑戦できなかった人が挑戦できる世界になっていくんですよね。
 
また、これまでは、企業も投資家も、資金調達・投資に期待するものはお金だけでした。しかし、証券のデジタル化によって購買情報と投資情報が企業の中で紐づき、「投資してくれて、かつ商品を買ってくれる」という自社のファンが見える化されると、また違う展開が考えられます。企業としては、そのファン層に向き合って、ターゲットを絞ったマーケティングや商品開発ができます。ファンでもある投資家は、それを期待して投資できるようになります。このような、お金以外の形での投資への還元が実現すれば、投資は単にお金を得る手段ではなく、生活を豊かにする手段にもなります。
 
今後は、お金と証券のデジタル化が同時並行で実用化に向けて進行するので、生活がどんどん変わっていきます。消費者としての実感はまだ持ちづらいと思いますが、今、そういった転換期にあることは確かです。

──これから消費者にも影響が及んでくる場面なのですね。広告やコンテンツに関わる部分でのブロックチェーンの動きはありますか?
まだ実用化には至っていませんが、Webコンテンツの著作権の管理に応用できると思っています。Web上では大量のコンテンツが流通していますが、発信元のトラッキングが不完全なため、制作者に十分な報酬を還元できているとは言えません。そのため、プラットフォーマーは広告収入で財布が潤っていても、中身をつくっている制作者は報酬を得られず、だんだん良いコンテンツがつくれなくなります。そうなると、プラットフォーマーも良質なコンテンツを発信できなくなる、という悪循環に陥っています。その改善策として、ブロックチェーンを用いてプラットフォームをまたいで転々流通されたコンテンツもきちんとトラッキングし、制作者が正当な報酬が得られるような仕組みづくりが検討されています。

──業界・分野を問わず、ブロックチェーンが活用される可能性を感じました。御社メディアが担う役割はとても重要そうですね。
ブロックチェーンや先端技術によって、経済・社会のあり方が劇的に変わりつつあります。これはインターネットが世の中に与えたインパクトと同等以上になるかもしれません。CoinDeskは、そのような最先端の情報を扱っています。そのため、投資家や金融企業、大手企業の決裁者など、情報感度が高い、「ネクストノーマル」をつくろうとしている方々が主な読者ターゲットです。N.Avenueは、そういった読者と接点を持ちたい企業にとっても価値のある企業だと思います。メディアとイベントを駆使し、読者と企業の接点を創出するビジネスプロデューサー的な役割も担っていきたいです。
 
──今後のN.Avenueとしての展望を教えてください。
N.Avenueという社名は、「Next Avenue」、新しい道をつくるという意味で名付けました。その方針のもと、CoinDeskとZホールディングスの力を最大限に活かして、メディアとイベントを強化するとともに、新しいサービスを提供していきたいと思っています。
 
CoinDeskはアメリカ、中国、韓国というブロックチェーン研究において先進的な各国に拠点を持ち、日々情報交換をしながらメディアを運営しています。引き続きグローバルネットワークから情報を得ながら、日本で伝えるべき情報を精査し、オリジナルコンテンツもより強化していきたいと思っています。また、Zホールディングスは、エンドユーザーとの接点でも日本有数の企業です。ブロックチェーンが個人向けのサービスに使われるようになった際、その消費者とのチャネルは、N.Avenueとしても必ず活用できると思っています。
 
これから、ブロックチェーンを基盤として、資産や証券、通貨など、さまざまなものがデジタル上で有限的な資産になり、流通していきます。そのなかで、ブロックチェーン関連の市場をつくるための情報基盤も整備していきたいですね。当社が提供できる機能は他にもさまざまありますが、既存のビジネスモデルにこだわらず取り組んでいきたいと考えています。
 
ソフトバンクグループ会長の孫正義は、これからやってくるインターネット時代には「地図とコンパス」が必要と考え、コンピューター関連で世界一の出版社「ジフ・デービス」と世界最大のコンピューター展示会を運営する会社「コムデックス」の2社を買収し、アメリカの「地図とコンパス」を手に入れました。そして掘り当てたのが、スタンフォード大学の大学院生に過ぎなかった若者たちが立ち上げたばかりのベンチャー企業だった“ヤフー”です。その投資リターンは現在、何千倍もの投資価値を持っています。
 
N.Avenueもまさに、これからやってくるブロックチェーン時代の「地図とコンパス」を目指しています。
 
ブロックチェーン技術が経済、社会に大きな影響を与える現場を間近で見れる、知的好奇心の強い方には刺激的な職場ですね。業界の地図とコンパスとして、これからもブロックチェーンの市場を先導していく意気込みを感じました。本日はありがとうございました。
 

※2020年6月に取材した内容を掲載しています。