プロダクションマネージャーは特殊技能!?社員を大事にする社長の思いとは―ストライプス

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企業特集

テレビCMのプロデュースからスタートし、デジタル時代に合わせて今ではWebムービーやWebサイト、さらにインタラクティブコンテンツなども手がけるストライプス。同社の社長である遠藤さんと、最近入社された久保田さん・鈴木さんに、担当案件についてお伺いしました。印象的だったのは、旧来のプロダクションマネージャー(PM)からの“脱皮”。視座を上げることで局所的な業務でも、意味を理解できる。PMという職種でもプロデューサー目線を持つことで楽しく仕事に取り組むことができる。遠藤さんの社員への思いを聞き、新たなPMの姿を垣間見ることができました。
(マスメディアン編集部)

――まず、簡単に自己紹介をお願いします。
遠藤:映像、インタラクティブ、イベントのプロジェクトデザインをおこなうストライプスの社長をしています。さまざまなプロジェクトでプロデューサーとして携わっています。今日は、中途入社で最近入った若手社員2人にたくさん質問いただければと思います。

久保田:今年の4月に入社して、ちょうど半年が経ちました。アシスタントプロジェクトマネージャーとして、広告動画案件に多く携わっております。企画段階から打ち合わせに参加し、撮影を経て、編集・納品までを、制作進行として一貫して関わっています。

鈴木:私は、久保田のあとで、7月に入社しました。入社早々、キングジムさんが立ち上げた文房具の新ブランド「HITOTOKI(ヒトトキ)」を担当しています。実は、入社日の次の日に、Instagram用にスチール撮影に立ち会いました(笑)。

キングジムの新ブランド 『HITOTOKI(ヒトトキ)』のコンセプトを表現した、24時間連続で撮影したアナログ時計動画「HITOTOKI CLOCK(ヒトトキ クロック)」。

――急ですね(笑)。そういえばコンセプトムービーの「HITOTOKI CLOCK」がグッドデザイン賞とSpikes Asiaのブロンズを受賞されましたね!おめでとうございます!
遠藤:ありがとうございます。このムービーは、24時間のワンカット撮影という特殊な案件だったので、それなりに大変な過程もありましたが、いかなるコンテンツプロジェクトのデザインをするという意味では当社にぴったりの仕事でした。ブランドの映像、インタラクティブ、イベントなどを担当させていただきましたが、これまでさまざまなコンテンツに携わってきた当社には向いていた案件だったように思います。

Assistant Project Manager 久保田太啓氏

――久保田さんと鈴木さんの前職のお話や、転職を考えたきっかけについて教えていただけますか?
久保田:私は、テレビドラマの制作進行や助監督をしていました。ただ広告業界の制作進行と違い、テレビ業界の制作進行は現場を管理する人ではなく、現場のスタッフが気持ちよく撮影に臨める環境をつくることが主な業務でした。また助監督の時は、美術部門の方と小道具などをつくっていました。助 “監督”と言っても、撮影全般に携われるわけではなく、映像編集に立ち会うこともない部分的なものでした。テレビ業界は分業制が強く、こうした体制に疑問を感じ、転職を検討しはじめました。テレビ業界の分業制や、そのほかに制作スパン・商流などに辟易してしまって退職したのですが、退職後にバンドマンの友人のプロモーションビデオをつくっているなかで、広告業界に魅力を感じるようになりました。クオリティの高い映像を制作することでクライアントのためになる。その点に惹かれました。

鈴木:私は名古屋のCM映像制作会社でプロダクションマネージャーとして、大手広告会社からの仕事を請け負っていました。テレビCMの制作に携わっていましたが、テレビ離れが進んでいると言われているなか、果たしてCMは効果があるのだろうかと考え、ちゃんと人に伝えられる仕事がしたいなと。そのため、メディアにこだわらず、もっといろんな伝え方がある仕事に就きたいと、転職活動をスタートしました。また東京にはオリンピックなどの大きな案件もあるので、東京も視野に入れて転職活動をしていたところストライプスを知りました。ただ東京の広告会社とプロダクションの関係は名古屋と違い上下関係が強いんだろうな、と心配していたのですが、遠藤から「ウチはパートナーとして一緒につくりあげる」という話があり、その方が楽しいし、良いものができると私も信じていたので、強く惹かれました。

Project Manager 鈴木寛未氏

――前職と現職との変化について、どのように感じていますか?
鈴木:もちろん現在もCM制作に携わっていますが、デジタル領域の仕事が増えましたね。また、前職はプロダクションマネージャーとして進行管理がかなり多かったのですが、いまは企画・ディレクションの仕事もさせてもらっています。もともとディレクター志望だったので、うれしいですね。

久保田:さきほどもお話しましたが、テレビ業界は業務が細分化されていました。今はプロジェクトマネージャーとして、仕事の幅がすごく広がり、全体を見渡せるようになった点が大きな変化です。案件の最初から最後まで見ることができるのは、非常にやりがいを感じます。

――ふたりともイキイキしていますもんね! いま取り組んでいるお仕事についてもっと詳しく教えてください。
久保田:私はプロデューサーの下で、企画をおこなったり、クライアントとの打ち合わせに参加したりしています。企画が採用された後は、撮影のためにロケハンから、香盤表の作成などをおこなっています。撮影現場では、プロデューサーから指示をもらいながら、現場の進行管理をしていく。プロデューサーがクライアントや監督と決めていったことを、私が実行していくという感じですね。

鈴木:「HITOTOKI」の仕事のあと、別クライアントのCMの制作進行をしました。その後、遠藤さんから「ディレクション、やりたいならやってみる?」といった感じで声をかけてくださり、講談社さんからいただいたデジタルサイネージ案件を企画・ディレクションしました。

President,Producer 遠藤耕太氏


――では、遠藤さんに伺います。入社早々おふたりにさまざまな新しい領域に挑戦させていますが、今後彼らにどういったことを任せていきたいですか?
遠藤:僕の昔の話をすると、長くCMプロダクションに在籍していました。当時のPMはテレビ業界のADの方と同じような感じかもしれませんが、一番寝れない、一番働く、そして自分の思いや意向が通じづらい、というまあまあしんどい職種でした。今は当時と違ってインターネットで検索できるので、PMやADの現場がどういう環境なのかすぐにわかってしまいます。だから若い人たちにとって、僕が当時憧れていたCM業界より、IT業界やテクノロジー業界のほうが魅力的に見える側面もあります。でも僕が経験してきたPMの仕事を思い起こすと、本当に楽しいことも多かったですし、魅力的な仕事だと、今でも思います。

そしてPMやADって、“特殊技能”だと思うんです。せっかく特殊技能を持ち得る優秀な人材がいるとしたら、もっと大事にしていかないと。だから僕がこれまで感じていた「理不尽な部分」を極力排除して、「楽しい部分」をなるべく抽出して、若い人たちにやってもらえるように務める必要があると思います。

――なるほど、過去には囚われず、新しいPMの形をつくろうとしているんですね。
遠藤:そういうと大きな話になってしまいますが。このふたりに関して言えば、まだ広告業界に慣れてないところがあるから、まず、そこのイロハを叩き込んでいく時期かなと思っています。それで、自分が楽しいと思う領域を見つけてくれればいいかな。楽しいって思っていることは自分から進んで調べますし、考えるんですよ。そう思えるように、仕事を前向きに捉えられる場を与えていかなくては、ということを考えています。CMで「このカットを撮る意味あるの?」と思っていたらモチベーションはあがりませんが、「これは絶対クライアントのために必要だよね」ということが、PM時代から理解できていたら、仕事が楽しく感じると思うんですよね。

――俯瞰的な視点を常に持たせることで、さらにもうひとつ上の視点を持たせたいということですかね?
遠藤:もちろん、そうです。いま、なぜこれをつくっているのか、ということを理解するためには、上流から見ることができたほうが腹落ちしやすいです。この案件では、こちらにそんなに力を注がなくていいとか、あちらは絶対にいかなきゃいけないとか、PMの過程で自発的に気づいていくんです。その感覚は、やがてプロデューサーとして絶対に必要になるので、早くふたりには身につけてほしいですね。

――それをふたりにも求めるし、新しく入社した方にも求めていくということですね。遠藤さんのお話を聞いて、おふたりは今後、どういう風に自分の経歴を活かしていきたいか、またどういう風に新しいものを身につけていきたいと考えていますか?
鈴木:私は映像しかやってきていないので、早くデジタル含めて全体的なことをわかるように勉強しなくてはいけないと感じています。また企画・ディレクターとしての仕事も増やしつつ、会社から求められているプロデューサー的な立ち回りにも挑戦していきたいです。

久保田:広告業界の経験がなかったため、わからない業界用語も多いですし、仕事の進め方も全然わかりません。とにかく吸収といった段階で、昔は頭の中が凝り固まっていたのですが、いまはどんどん柔らかくなってきているのを感じます。いろんな言葉の意味だったり、物事の意味だったりを理解することが楽しくなってきています。ジャンルを選ばず、なにか小さなことでも自分が見たことのないものに出会い、自分でどんどん世界を広げていきたいなと思っています。

――おふたりのお話から、仕事の幅を広げ、新しいチャレンジができることがストライプスの魅力だと感じました。ありがとうございました!

※2017年10月に取材した内容を掲載しています。