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商品開発には広告業界のクリエイティブ発想が活きる─株式会社グラフィコ

東京

事業会社

クリエイティブ

化粧品『スキンピース』、美容雑貨『優月美人』、ダイエットサプリ『なかったコトに!』など数々のユニークな商品を企画・製造・販売してきたグラフィコ。実は同社はもともとデザイン会社。化粧品などのプロデュース業務で得たノウハウを、いま存分に発揮しています。デザイナー出身の創業メンバーや、商品開発未経験ながら入社した社員など4人にインタビューすることで、なぜ“売れる”商品を世に出しつづけられたか、秘密に迫ります。(マスメディアン編集部)

株式会社グラフィコ
企画本部 企画開発部 部長代理 
岩重杏子氏



──お一人ずつ経歴や仕事内容など自己紹介をお願いします。
岩重:私はもともと美容関係に興味が高く、映像制作会社で化粧品会社に常駐しながらクライアントのCMや映像制作をやっていました。広告制作をしていくなかで、その商品に対してこんなふうに打ち出した方がいいんじゃないか、もうちょっと違うアプローチがあるんじゃないかと思うようになり、商品企画から関わることができるメーカーを志望し、グラフィコへ入りました。入社当時は企画本部の人数が少なかったこともあり、企画も開発も広告販促も垣根はなく、1つの商品に対して頭からおしりまで担当するという流れでした。

株式会社グラフィコ
企画本部 企画開発部長 
若松里子氏




若松:私は、以前は化粧品のカスタマーサポート業務をしていて、そのあと転職し広告関係のデザイナーになりました。そこで、広告会社と一緒に考えてプレゼンするという部分に面白さを感じていたので、ゼロから企画できる会社を探していたんです。と同時にメーカーからお題があって広告をつくるのですが、商品自体もうちょっとこうなっていたらいいなと思うことがよくありました。でもそこには関与できない。そういう意味でグラフィコは、メーカーとしてモノもつくれてデザインもできて広告も考えられて、トータルで携われる点がとても面白そう! と思い、入社しました。最初の仕事は自社開発の化粧品だったのですが、商品としてまだできあがってないところから企画開発して、パンフレットや店頭販促物の制作まで担当しました。当時は従業員も少なかったので、注文書・利用規約の作成、さらには美容カウンセリングや、東急ハンズなどでの設置交渉・実演販売なんかもやったりしました(笑)。もちろんいまは、体制も整って、商品開発部や、販売促進部、営業部などありますけど。

田邊:私はグラフィコで5社目になります。最初はCMプロダクションでプロダクションマネージャーをやっていました。そこから広告会社に転職し営業とクリエイティブを経験し、その後テレビ番組プロダクションでのプロデューサーを経て、通販化粧品の会社に仕事を変えました。そこではマス広告の担当者として電波や紙を使ったプロモーションを手掛けていたのですが、通販広告自体はそれなりに面白いと思いながらも、お客さまの実際に商品を手に取る姿が見えないというところに若干の物足りなさを感じていたんです。そこで、リアル店舗にモノを置いているメーカーに行きたいなと思っていたところにフィットしたのがグラフィコでした。

水谷:僕はこの会社には第2新卒みたいな感じで入りました。創業してすぐでしたかね? 実は初めはデザイン会社だったので、クライアントにクリエイティブの入稿データを届けたり、校正チェックをしたりというアシスタント業務をしていました。そこから、少しずつ自分の担当クライアントを持つようになりました。そのなかで、営業兼デザイナーとして担当したトイレタリーメーカーのプロジェクトがあったのですが、そこでPOPというものも初めてつくりました。当時のグラフィコはPOPというよりは、商品企画やエステの広告、化粧品の雑誌広告などが中心で、SPツールというのをほとんどやっていなかったのです。けど、その仕事のおかげでSPルーツというのを知ることができました。それがデザイナーとして、またメーカーとなった今でも役になっています。

──貴社の商品を見て感じる「販売促進を意識したクリエイティブ」は、こういった経験が起点となっているのでしょうか? 
水谷:そうですね。この案件を通して、商品の売り上げに比例してデザインの発注も増えるというのを実感しました。つまり裏返すとデザインによって、販売に影響を与えられる、メーカーに必要な販促がどういうものだということを理解するきっかけになりました。

若松:社長もよく言っていることなのですが、カッコいいクリエイティブは誰にでもつくれる。ただ、どんなにカッコよくても買ってくれなかったりする。本当に効果があったのかという点では、「数字につながるクリエイティブ」「売れるクリエイティブ」をつくっていくことが大事だと。それを自社でやることで、自分がつくったクリエイティブがどう反応したかが、すべて数字で出てくるので、そういう面白さがありますね。

株式会社グラフィコ
取締役 企画本部長 
水谷直人氏




──ビジネスに直結するデザインを常に考えるということですね。その後、デザイン会社からメーカーに舵を切っていくわけですが、なぜそのような方向転換をされたのですか?
水谷:化粧品のプロデュース業務において成功事例がたくさん出てきたこともありますが、より直接的に訴えかけお客さまの悩みを解決できる仕事に魅力を感じていたからです。これまでのクライアントワークは成功しても失敗してもクライアントの担当者に属することが多く、その商品のユーザーからの評価を知ることが少ないのです。それで自分たちでユーザーのためになる商品をつくろう、ユーザーに喜んでもらい、ユーザーが増える、自分たちの評価につながる仕事をしようと。そういう経緯での、メーカーへの舵切りだったと思います。『満腹30倍』はまさにそういう商品ですね。バジルの種は、元々病院の糖尿病患者用の食材として使われてたのですが、いいものだからもっと世の中の人に使ってほしいよねって。それをアレンジしてキャッチーな商品名をつけて、料理に混ぜて演出するなど、ユーザーにメリットが伝わりやすいようにすると、爆発的に売れたんです。

カロリーバランスサプリメント「なかったコトに!」
現行のパッケージデザイン


──他の商品はどのように開発されているんでしょうか? 
若松:いろんなケースがあります。『よもぎ温座パット』の場合は、社内での企画大会みたいなものがあるのですが、そのなかで、インターンに来ていた学生さんの案で、韓国に面白いものがあるっていう情報から生まれたのです。ほかにも『なかったコトに!』は、実は一回商品化して終売になっていたのですが、その時の少ない在庫を社員みんなが焼肉とか飲み行くときに好んで飲んでいたんです(笑)。それで、飲み尽くして在庫がなくなったときに、よく考えてみたら、こうしてニーズもあるし、競合も少ないし、何よりこのネーミングを使わないのはもったいない! もう一回出してみるか、という話になり、今の市場に合わせた形に焼き直しました。この『なかったコトに!』では、デザインでモノが売れるっていうのをすごく実感しました。前のパッケージは、もっと情報が多く詰まったにぎやかなパッケージでしたが、焼き直した時に『なかったコトに!』の強調の仕方や全体のデザイントーンを変え、白地に黒文字がのったコントラストで、潔く『なかったコトに!』というネーミングが最大限活きるデザインに変更しました。

水谷:店頭に並べたとき、どこが競合との差になるかいう部分は、もともとクライアントの化粧品の商品企画やプロデュースをしていた経験が活かされていますね。その当時から店頭を徹底的にリサーチして、競合との優位性・差別化を考えて企画していました。

株式会社グラフィコ
企画本部 販売促進部 課長 
田邊謙司氏






──現在募集されている求人では、グラフィックデザイナーは田邊さん、企画職では若松さんと岩重さんの下で働くと思うのですが、どのような業務を想定していますか?
田邊:制作してもらうのは主に店頭SPが中心になります。私の下にいるディレクターのもとで、実際に手を動かす仕事をしてもらう感じですね。

若松:企画職は商品の素となるアイデアを出す仕事です。企画力が大事です。実はそういった面で、広告業界の人はハマると思います。どういうことかというと、広告企画を実現するためにブラッシュアップする過程は、モノをつくるプロセスと似ているからです。ターゲットのために広告をつくるか、モノをつくるかの違いだけなので。また、消費者にいかに面白く見せるかっていう広告的な要素が活きます。商品をつくる段階からどうやって売ろうか考えないと商品化までたどり着かなかったりするんです。だから当社では、クリエイティブ系のアイデアを持ってる人を求めています。

──つまり企画職としては未経験でもいいということですね? 
若松:そうです。そういう意味で商品企画の経験はなくても、問題ないです。成分などの中身は開発職に任せて、どういった切り口だったら、どういった魅せ方だったら売れるかを考えられればOKです。

岩重:また当社では「商品パッケージは広告だ」という意識があります。店頭でパッと見たときに、3秒で伝わるように。だからパッケージも企画職が担当しています。

──広告的な考え方を取り込んで商品企画をするんですね。ではその後、どの段階から販売促進部(グラフィックデザイナー)の方々が関わっていくのでしょうか?
田邊:現状だと商品ができかけの段階です。商品はもちろん、ターゲットや販売価格、発売日などの詳細が決まった段階で情報が共有されます。ネーミングが決まってパッケージデザインの方向が固まったぐらいでしょうか。ただ、ネーミングに関してはかなり前段階から相談を受けます。訴求会議で、じゃあこういうの足そうとか、こんなキャッチーなセリフ入れようとか、そういったやりとりをします。業務分けはもちろんありますけど、一緒に案を出して考えていくっていう意味では垣根はあまりないですね。

──では、最後にみなさまから一言ずつメッセージをお願いします。
若松:グラフィコはその人の好きや強みを応援する会社です。「やりたい!」と発言して、その企画内容が良いものであれば、受け入れてくれる自由な会社だと思います。もちろん厳しい審査もありますが、大手メーカーほどのハードルではないと思います。新しく入る方は、もしかしたら商品開発を初めてすることになると思うのですが、それを楽しめる人がいいですね。自分のアイデアを出してそれがよければ必ず通るので、そういう環境があることをメリットに思える人にどんどんアイデアを出してもらいたいです。できないことに臆さないでほしいなと思いますし、前に前に進むようなタイプの人がいいですね。

田邊:そういう意味で、自分の中で職域を決めない人がいいですね。これは自分の仕事じゃないと拒否するんじゃなくて、そんなこともできるんだ、後々役に立つかもしれないしやってみようと思える人の方がいいと思います。ポジティブに捉えられる人の方がうちの会社で伸びると思いますし、仕事やってて楽しいと思うんですよね。

岩重:つまり口出しができるってことなんですよね、部署を跨いで言っちゃいけないとかなくて。むしろ、そういう意見を待ってるんですよね。常に欲しがってるんです。

水谷:グラフィコでの経験は社会人人生で必ず活きてきます。この会社でできることってすごくいっぱいあるんですよ。だから、うちに5年とか10年いてもらうと、どこに行っても通用するんじゃないかな。自分のやった仕事の反響がすぐにわかるから楽しくもあり、怖くもあります。それぐらい真剣勝負ができます。だから自分の職域を広げていきたいと思っている人、自分のクリエイティブ力を試したい人、お待ちしています。

──ありがとうございました!

※2017年10月に取材した内容を掲載しています。