【2016年業界予想】広告で地方を元気に

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業界予想

交通インフラの整備が進む北日本

北海道――
2016年3月26日、北海道新幹線の新青森―新函館北斗間が開業する。東北新幹線との直通運転により、東京―新函館北斗間が最速4時間2分で結ばれ、1日10往復する。開業が迫るなか、道南エリアでは観光客の受け入れ態勢が急ピッチで進められている。特に期待が大きいのは、沿線にあたる東北や北関東との地域間連携だ。有力な観光地の多い北海道とつながるため、東北などへも観光客を呼び込むことができる。道外では、仙台、福島、栃木など「大宮以北」のPR活動が盛んだ。2030年度末には同線が札幌駅まで延伸する。15年後に向けて、いかに本州各地との連携を取るかが試される。

東北――
2015年12月6日、仙台市の市営地下鉄東西線が開業した。荒井駅から八木山動物公園駅までの13駅を26分で結ぶ。市内各地へのアクセス向上による沿線開発や地域間交流の促進が期待される。地下鉄開業に合わせて、バス路線の再編も行われた。沿線の利便性を高めて人口を誘導すると同時に、学生やビジネスマンの利用を増やす狙いだ。このような「ハード面」の整備と並行して、「ソフト面」の取り組みも進んでいる。その柱としての「WEプロジェクト」では、街づくりの若手リーダーの養成など、市民参加の機運を高める試みがなされている。名前には東(East)と西(West)の頭文字が入っており、「私たち(We)でつくる地下鉄に」との願いが込められている。

"新幹線効果"、"サミット効果"をいかに取り込むか

北陸――
2015年3月に北陸新幹線の長野―金沢間が開業した。以前は4時間近くであった東京―金沢間の所要時間が、最短で2時間28分に短縮されたため、首都圏からの観光客やビジネスマンの来訪が増加し、沿線に大きな経済効果を生み出しつつある。一方、観光客の急増による課題も浮き彫りになっている。宿泊施設の不足とそれに伴う宿泊料金の上昇、飲食店や交通機関のサービスに対する不満、観光地などの案内表示や外国語表示の不足など、多岐にわたる。いかに"新幹線効果"を持続させていくかが今後の課題である。

中部――
2016年5月26日、27日に三重県志摩市で主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催される。2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、8年ぶりの日本での開催だ。「百五経済研究所」によれば、サミット開催後の同県内の経済効果は5年間累計で1110億円、外国人観光客の増加による経済効果は年185億円に上るという。首脳の多くが利用するとみられる中部国際空港や名古屋の観光地などにとって、"サミット効果"の期待は大きい。

西日本は商業施設が活況

関西――
2015年11月、大阪府吹田市の万博記念公園内に、大型複合施設「エキスポシティ」がオープンした。305店のテナントを構えるショッピングセンター「ららぽーと」のほか、それを取り囲むように並ぶ8つの体験型施設が話題を呼んでいる。映画館や放し飼い状態の動物展示が楽しめるミュージアム、人気キャラクターと会話できる子ども向け施設など多彩だ。来春には高さ120メートル超と日本一となる大観覧車がオープンする。郊外型の大型商業施設に、観光・レジャーの要素を取り入れることで、より広域からの集客や訪日外国人の取り込みを狙っているのが特徴だ。開業1カ月の集客は好調で、年間1700万人の来場者を見込んでいるという。

九州――
ここ5年ほどの間、福岡市で大型商業施設のオープンやリニューアルが相次いでいる。特に、九州新幹線の全面開業により、JR博多駅周辺地区や天神地区が活況を呈している。2011年にはJR博多駅の新駅ビル「JR博多シティ」が開業し、近隣の「キャナルシティ博多」も増床した。天神地区では、2014年9月に「ラシック福岡天神」が、同年11月には「福岡パルコ」の新館がオープンした。福岡市の人口は今後20年間増加する見込みで、消費意欲の旺盛な若年女性の比率も高い。また、アジア諸国と地理的に近く、訪日外国人客によるインバウンド需要の恩恵が大きい地域でもある。福岡・天神を中心にさらなる発展が見込まれる。

※アドバタイムズ新年特別号(2016年1月1日)より抜粋